プロフィール

Author:homia
homia(ほみ)
2004年春、山岸涼子の「テレプシコーラ」を読み
同年8月東京バレエ団40周年記念ガラからバレエに通い始める
2006年7月7日ブログ開始

最近の記事
カレンダー
07 | 2008/08 | 09
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
ABT「白鳥の湖」 ケヴィン・マッケンジー版
仕事の変化に伴う一時的な業務量増加をなんとかしようと(予定しているバレエだの演奏会だのに行きたいのもあって)、かなり久しぶりに休日に職場へ出向き疲れ果てた昨晩。
ネットには入らず、ABT「白鳥の湖」DVDを鑑賞しました。
以下思いつくままに書き連ねます。

とっても面白かったです。ABTってやはりアメリカのバレエ団なのだな、と何がアメリカかと問われると言葉に詰まりそうだけど感じます。
ストーリはわかりやすく共感でき、登場人物は造形がくっきり、テクニックはダイナミック、衣装の色彩も鮮やか。

白鳥達のチュチュの上衣の胸元がかなり深く、Vに切れ込んだランニング型のボディファンデーションを着ているぐらいで、首から肩、胸があらわでちょっと肉感的。
オデットのジリアン・マーフィからしてセクシー。感情表現豊かで、でも第2幕のアダージョではなかなか王子を受け入れない。
孤高の白鳥の女王ではないけれど、より人間的で気に入ってしまいました。
ロシアの儚くストイックなオデットもいいけれど、こういうのもいい。
「こうでなければならない」と限定的に観るのはつまらない、いろいろなものを楽しめた方がハッピーだというところに私は居たいので。

王子のアンヘル・コレーラもテクニックもさることながら演技も熱演。迷い、憂いに沈むところも、情熱的にオデットをもとめるところも、舞踏会でオディールが現れるまでの憂愁も、その後の盲目も。さらにはオデットに赦しを請うところも。すごく説得力があるし、これまた素敵で目がハートに。

ケヴィン・マッケンジー版の特徴であるロットバルトを2人のダンサーが演じる工夫も面白い。
妖しげな押しの強い2枚目風で舞踏会に現れるマルセロ・ゴメスはもう「きゃあ〜」という魅力で、各国の姫たちが、王妃までも誘惑されてしまうのは納得。

各国の踊りも音楽は使っていてもものによってかなり大胆に変えられていて、ナポリを二人の男性のテクニック合戦のようにしているのが面白い。

第1幕のパ・ド・トロワはエルマン・コルネホ、シオマラ・レイエス、エリカ・コルネホと豪華。3人ともとっても素敵。前回来日時にドン・キのジプシーソロだけで瞠目させてくれたコルネホ、予定通りランケデムを踊ってくれますように!

最後、化け物風のロットバルトが嘆きつつ力尽きていくところ、彼が本当はオデットを愛していたのではないかと感じました。やり方は間違っていたけれども。

来日公演が俄然楽しみになってきました。どうか無事に劇場に辿り着けますように!
ジャパンアーツのブログでこの映像に関する簡単なレビューが読めますのでどうぞ。

バレエ映像感想 | 【2008-06-22(Sun) 19:12:44】
Trackback:(0) | Comments:(0)
POB ローラン・プティ「アルルの女」 1997年収録
パリ・オペラ座バレエ、1997年収録の映像を見る幸運に恵まれました。

フレデリ:マニュエル・ルグリ
ヴィヴェット:イザベル・ゲラン

振付:ローラン・プティ
音楽:ビゼー「アルルの女」組曲
原作:アルフォンス・ドーデ

40分程の作品。舞台には登場しない “アルルの女”への想いを断ち切れず、許婚の村娘ヴィヴェットの願いもむなしく、フレデリは窓から身を投げる、というストーリー。
二人のほかに村の男たち、女たちが登場し、二人を見守り、フレデリを説得しようとします。

ルグリがとにかく素晴らしいです。今から10年ほど前の映像ですが、ほんのすこし若いかなというだけで今と変わらない、彼は年齢を感じさせないのですね。
何度もあるルグリのアップに、何かに囚われてしまった者の恍惚や苦悩を感じます。彼の踊りがとても音楽的だということも納得。なじみのある旋律がけっこうな速さで演奏されるなと思っていると、ルグリはきっちり音楽と離れない。彼の身体が音楽を奏でているかのようです。
40分ほどとはいえ、とりつかれ、求め、抗い、悩み、それでも突き進むという激しい感情を表すソロが何度かあり、ハードです。これを踊りきったらすべてを出し尽くしてからっぽになるのではないでしょうか。

ゲランもとても魅力的。素朴でありながら思慮深そうな村娘。フレデリの気持ちに気付かないうちは、結婚への喜び、恥じらいが見られて初々しい。フレデリ一途です。
けれど彼女はすぐに気付く。フレデリを離すまいとすがるいじらしさ。
最後、フレデリを引き止められないのをを悟って、衣装を一枚脱いで踊るところが圧巻。彼女の叫びが聞こえてきます。

イザベル・ゲランは私にとって間に合わなかったダンサーですが、「ノートルダム・ド・パリ」、「Le Parc」とPOBの映像で続けて見ています。
繊細なのに強く伝わる感情表現とやわらかい存在感がとても好き。

プティの振付はやはり独特で、脚の動きに特徴がある。ダンス・アカデミックでは普通ではない動き方をするのが面白く効果的。
男性、女性で揃いの衣装を着た村人の動きも、感情のない人の群のように無機質だったりして不気味な時もあります。フレデリが出て行こうとする外の世界と村の世界の対比なのでしょうか。


やはりルグリは凄いんだなあと打ちのめされました。
9月のスカラ座公演の予習として見ていますから、これをマッシモ・ムッルが踊ったら、ロベルト・ボッレが踊ったらどんな感じなんだろうと、それでもやっぱり楽しみです。

今のところ、マッシモ・ムッルについてはホセよりフレデリの方が楽しみなのですが、「カルメン」の方も全編はKバレエの公演で一度見たきりなので映像で研究しなくては。

バレエ映像感想 | 【2008-05-06(Tue) 18:23:12】
Trackback:(0) | Comments:(0)
映画「オーロラ」1月8日シャンテ・シネ
パリ・オペラ座全面協力、ドキュメンタリー映画「エトワール」のニルス・タヴェルニエ監督の映画「オーロラ」を観て来ました。

オーロラ公式サイト

観終わってすぐは映画館で何度も観るほどではないかな、と思ったが今はもう一度くらい大画面で見ておきたいと感じている。
ひとつのおとぎ話でまさに夢のような世界、でもその中に現代を生きる人間にも共通するテーマが込められている。
映像、ロケを行った城、その室内、森、装置の美しさ。うっとりと世界に入り込むことが出来る。
衣装もとても素敵。
そして何よりも数々のダンスシーン。
オーロラ姫のマルゴ・シャトリエは初々しく清々しい。動きはとても綺麗だけれどまだバレエ学校の生徒だというのはこういうことかと納得した。
上半身、腕の動きにまだまだ向上していく余地が残されている。
彼女のその成長の途上にある変化が映画のオーロラ姫をリアルにする。

オーロラ姫を政略結婚させるため3度舞踏会が開かれ、その度に裕福な王子が求婚にやってくる。
最初がアブダラ国の王子でカデル・ベラルビ。
彼は踊らないのが残念だが振付を担当し、踊るのはマリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク、オットー・ブベニチェクとオペラ座のダンサーたち。
アラビア風エキゾチックなダンスの真ん中でイリとオットーにかしずかれて踊るジロの存在感。
周りの女性ダンサーも雰囲気たっぷり。

次がジパンゴ王国の王子で竹井豊。
同じく踊らずに振付担当だが、踊りは舞踏。白塗り坊主頭の男性5人に女性一人が囲まれている。
舞踏は初めて見る。正直なところ私は拒絶反応。オーロラもひどい王子と言う。
文化の違う異国の姫に求婚するのに舞踏を連れて行くのか、その上奥ゆかしい従順な花嫁をご所望とは。
踏み絵としての舞踏なのか、ただ自国の素晴らしい文化をと思って持って行ってるのか。
深読みしなくてもいいポイントかもしれないが考え込んでしまった。
舞踏を見てわからない、気持ち悪い、と感じるのも、素晴らしい、深い世界だと称える自由だけれど、私自身が踏み絵を前にした気分。

最後はヌシャトー王国の王子でヤン・ブリダール。一番人の良さそうな顔をして、礼も尽くす王子。
こちらはまたオペラ座ダンサーたちの踊り。男女がカップルになって踊るがその視線のやりとりがなんとも官能的。衣装は露出少なく女性もスカートだが、エキゾチックと西欧の間のような印象。

雲の上の世界でオーロラとニコラ・ル・リッシュの画家が踊る幻想的な世界。
オーロラが独りで踊る場面も含めて、求婚者たちの踊り以外はカロリン・カールソン振付。
求婚者たちの踊りではカメラもダンサーたちに迫っていて臨場感があるが、この雲の上ではすこしもどかしいような微妙な距離を感じる。だが夢の世界の美しさ。

ニコラ・ル・リッシュは大変に魅力的。
座って絵筆をとっているだけで、オーロラを見つめているだけでこんなに強い吸引力を放っているとは。
見事に画家バンジャマンとして存在している。
彼のファンにはたまらない映画ではないだろうか。
じわじわと彼の魅力に侵食されていく自分を感じる。
彼との出会いは2005年ギエムと踊ったマルグリットとアルマンで、正直な話その時はあまり感じるところがなかった。
映像でカジモドを見て失礼ながら見直し、2006年の世界バレエフェスで(ベランガール作品以外)魅力的なことがわかってきた。
今回は踊っているところより役者としての部分に強く惹かれた。抗いがたい。
この映画で一番強く感じたことはこれなのだ。
3月のオペラ座鑑賞、たった一日だがバスチーユのドン・キホーテに彼が出る日ならプルーストをやめてそちらにしようか・・・

キャロル・ブーケの王妃が素晴らしい。
オーロラの弟ソラル役のアントニー・ムノも好演。
オペラ座ダンサーに詳しくないので誰が周りで踊っていたのか分からないのが残念。
エンドクレジットには出ていたがパンフレットでは「他」と省略されてしまっている。
DVD化されたらわかるだろうか。おそらく特典映像も付くだろう。で買ってしまうと。

映画館は祝日昼間だと言うのに半分ぐらいの入り。同行した友人によれば、ダンスシーンに出てくるダンサーなどの知識がないと少々辛いとのこと。
興行的にどうなのだろう。
バレエファンとしては楽しく見ごたえのある作品だが一般的に受け入れられるのは難しそうだ。

バレエ映像感想 | 【2007-01-08(Mon) 22:07:47】
Trackback:(0) | Comments:(2)
キーロフ・バレエ「海賊」全3幕 1989年4月収録
いよいよ明日からマリインスキーバレエの東京公演がスタート。
まだ全幕は一度も見たことがない「海賊」を予習、さらっと感想を。
ワーナーから出ているキーロフ・バレエ(マリインスキーバレエ)の映像。ダンマガ1月号P23に広告がある、
「名演のDVDがお手頃価格になって再登場!」というやつ。
このDVD、セットされている解説がおもしろい。
『1990年11月 薄井憲二』の署名があり、91年2月発売のLD解説より転載されている。
ストーリー、作品、バレエ団、主要4人のダンサーについて語られている。
薄井氏の著作はまだ読んでいないが、歴史背景も語られている解説はなかなか詳しくさすが。

コンラッド:エフゲニー・ネフ
メドーラ:アルティナイ・アシルムラートワ
グルナーラ:イェレーナ・パンコーワ
ランケデム:コンスタンチン・ザクリンスキー
アリ:ファルフ・ルジマトフ
ビルバンド:ゲンナジー・ババーニン

ストーリーはやっぱり他愛もない。適度な起承転結をたっぷりの踊りで楽しむためのもの。
で、今回の結論は
「ランケデムをファジェーエフで見たい!」
私が今回のマリインスキー公演で行く日は違うんだけど。
ランケデムがグルナーラを売りに出すところのPDDが素晴らしい。
ヴァリはよく跳ぶし、キメポーズがたまらなくかっこいい。
アダージョが白眉。心の通い合っていない二人のアダージョが魅力的。
グルナーラも売りに出される悲しみ、パシャたちを拒絶する表情などが細かいところまで演じられている。
ヴァリになると笑顔だが。

コンラッドって微妙な役。中心カップルなのに、ガラ公演で踊られるPDDはメドーラとアリになってしまうし、「海賊」のキャストでメインに扱われるのはアリ。
エフゲニー・ネフは普通に過不足なく。
脇に惹かれがちな上、ルジマトフはやっぱりすごいのね、で発見がランケデムに。
ザクリンスキーがまた切れ味鋭く冴えて演技も自然で存在感あり。
彼はもう少し前に収録された(何年かパッケージでは不明、確か80年代)メゼンツェワとの白鳥の王子を見たことがあるが、ランケデムの方が魅力的。

アシルムラートワは踊りは美しいが身体の細さが少々気になる。腕の動きが硬めな印象。
脚まわりはしっかりしているし、動きの何気ないところでも表情豊かに存在感を放っている。
グルナーラのパンコーワもけっこう素敵。とにかくランケデムとのPDDが素晴らしい。

ルジマトフはまだ一度しか舞台を観ていない(今年のバレエの美神)。
この頃はまだ若くて、現在のような近寄りがたい神秘的な雰囲気はまだない。でもラインはやっぱりルジマトフ。

ビルバンドの海賊の洞窟での踊りが楽しかった。独特のステップをリズミカルに決める。気持ちがいい。
奴隷市場でのパレスチナ、アルジェリアの踊りといい、やはりロシアのバレエ団のキャラクターダンス(でいいのかな)は徹底していて楽しめる。


バレエ映像感想 | 【2006-11-28(Tue) 23:06:02】
Trackback:(0) | Comments:(0)
「ベスト・オブ・モーリス・ベジャール −愛、それはダンス」を見て・・・
一回だけ見ました。予想通りステファンを探し、ときにベソをかく展開。
最初の「春の祭典」の群舞ではなかなか見つけられなくて、見つめられるほど長く写ってくれなくて。
「ロミオとジュリエット」でようやく「ああ、ステファンがいる、ちゃんといる。ステファンだ」と思えたらもう後は。
「ギリシャの踊り」はダンサーリストにクレジットされていますが、出ていないようです。そのあたりunoさんの球面三角でも触れられています。
大好きな群舞のステファンは「ヴァルス」「ルミ」「海」あたり。「ルミ」のセンターでのソロと「カスタ・ディーヴァ」のソロは日本公演のときと同じ。これが残って本当に嬉しい。
カメラの切替がめまぐるしいので落ち着いて見つめるということができず、ステファンのかけら、かけら、かけら。
それでもそこにいるのは紛れもなくステファンで、こうしてしばらく経って見てみると彼の踊りは理想的に美しい訳ではないとわかる。でもその踊りがものすごく好き。
こんなレポートにもなってないものより、unoさんのレポートをどうぞ。
BBLへの愛とステファンへの愛がたくさん。

「ベジャール・バレエ・リュミエール」を見たときにも感じました。映像は別のものだと。
舞台を観ている時は自分の視点で、自分で見たいところを選んで見ることが出来る。映像はそれを録画、編集した人の視点で見ることになる。その中からの取捨選択しか出来ない。
何よりライブで目の前で演じているひとのエネルギーを感じることが出来ない。ステファンが舞台にあるとき、彼が放射している何かを私は確かに感じ受け取ったのに、映像ではそういうわけにはいかないのです。

「ベジャール・バレエ・リュミエール」の撮影は2001年、5年の月日の何と残酷なことか。ベジャールもジルもエリザベットも若い。今年の日本公演で見たときより、「愛、それはダンス」収録の2005年より。
今回の映像で初めて「Show must go on」のベジャールを見ましたが、やはり月日の流れを感じる。
今年のBFLで初めて見た「Show must go on」はジルが真ん中で、いろいろなものを感じ胸に迫りました。
ベジャールもいつか。BBLはそれから。BBLを初めて見たというのにそう感じないわけにはいかなかった。それでもShowはDanseは続く。
ダンサーは出て入り、時は流れ、何かが変わり、変わらないものもある、きっと。

メソメソしながら最後まで見て、私の中にあったのはこんなつぶやき。
「ステファンはBBLの最後にこんなに輝いていて、でも彼は新しい出発をしたのだ。それを受け入れよう。たとえ新しい旅の途上にある彼を見ることがかなわなくても」
出会って、一瞬の迷いの後脇目も振らずに駆け出して追いかけて、でも取り残されて。
呆然と座り込んでいたけれどやっと立ち上がれた。
ステファンはステファンであり続けるのだろうと、そうであってくれればいいのだと馬鹿みたいに信じているのです。

バレエ映像感想 | 【2006-10-23(Mon) 22:37:48】
Trackback:(1) | Comments:(4)