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homia

Author:homia
homia(ほみ)
2004年春、山岸涼子の「テレプシコーラ」を読み
同年8月東京バレエ団40周年記念ガラからバレエに通い始める
2006年7月7日ブログ開始

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初海外鑑賞旅行を終えて
何と幸せな旅だったことか。
急なキャスト変更などなく観たい舞台を全て観ることができた。大感動の舞台が1度。大好きなダンサーを2度。観たかった演目をどちらかというと観たかったキャスト(モローのサン・ルー)で1度。
何しろ最初にフェリとボッレの椿姫、それも観客とダンサーの幸福なエネルギーの循環があった素晴らしい舞台を観ることが出来たのだ。これが幸運でなくて何と言うのだろう。
ようやく旅のことを書き終えて、ショパンの呪縛からも解放されて、今頃ではあるが振り返ってみる。

たくさんのひとの善意に支えられてこの旅を終えることが出来た。

旅程を組んで休暇を取るとき
航空券を手配するとき
チケットがなかなか手に入らなかったとき
ホテルに迷っていたとき
荷物はどうしたらいい?旅をする上でのこまごまとしたこと
相談に乗ってくれた人 経験者の残した情報
送り出してくれた家族、職場
たとえそれが仕事であっても気持ちよく接してくれたたくさんの人
現地で助けてくれた 教えてくれた人
励まして、いってらっしゃい、おかえりなさい、よかったねとメッセージをくれたみなさま

舞台をつくる、支える
バレエを愛するひと
私につながるひとたち
心からの感謝をすべてのひとたちに

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旅のこと | 【2007-04-30(Mon) 23:10:48】
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パリのこともすこしだけ
パリはどこがどうとはうまく言えないけれど美しい大都会。そう感じた。ミラノが地方都市ぐらいに思える。街を歩くのはパリの方が魅力的かもしれない。

パリで困ったのは食事の量が多いこと。
まず着いた日の昼。ホテルの近所のカフェ。あまり英語が通じない中メニューを見て生ハムとチーズとトマトののったサラダプレートを注文。パンがつく。そのサラダと来たら!!
直径30センチはあろうかという皿に一面レタス、トマトが中1個分ぐらい、生ハム薄切り4箇所ぐらい、チーズがモッツァレラで5ミリほどの薄切りが10切れ近く。
何人前なんだ?
根性で4分の3ほど食しギブアップ、おいしかったけれど。
次の日も昼に大苦戦。
ミーハーにも加納雪乃氏の「パリ オペラ座バレエと街歩き」に出ていたLes Cakes de Bertrand に行ってみた。
塩味でオリーブやナッツが入ったパウンドケーキとサラダのプレート、これがまた前日に近いボリューム。何しろケーキが大きい。厚さは1センチぐらい、12センチ×5センチのものが2切れ。1切れで十分だというのに。サラダはカマンベールチーズの細かくちぎったもの、レーズンなど入っており、ドレッシングも美味。
周りを見て苦戦が予想できたので紅茶はラプサンスーチョンでさっぱりめに。
またしてもキャッシュ不足でカードは使えるかと訊ねるとデザートをつけて23ユーロ以上にしたらOKとのこと。
デ、デザートまで辿り着けない。
後半はおいしいというより難行苦行でどうにか全部食べ、デザートはテイクアウェイにしたいと申し出る。クランブルとか、生クリームとベリーののったタルトとか、大層魅力的だったけれど、持ち歩くし当分食べられそうにないので地味でボリューム控えめの洋梨のタルトに。アルミフォイルでしっかり二重に包み、ナプキンをつけて袋に入れてくれた。それをやっと食べたのはCDGに行った19時過ぎ。タルト部分のバターの香りがフレッシュでとてもおいしかった。
ちなみにこの Les Cakes de Bertrand のドアを開けて中に入るのはとても勇気が要った。一度引き返してしまったぐらい。
小さな店で、ガラス窓ではあるけれど中の様子は伺えない。
入ってみればフランス人ばかり。マダム二人連れが二組、ビジネススーツの男性二人と女性の3人連れ、カップルかどうかわからないが男女二人連れ。
私以外はそんな感じで、ビジネススーツの男性など私が悪戦苦闘する間に同じプレートと生クリームとベリーののったタルト(直径10センチ近く)をぺろりと平らげて後から来たのに先に帰っていった。

ミラノではカトリックの世界に圧倒され、パリでは食欲に圧倒され。
少々短絡的で乱暴かもしれないが、こういう方たちが長い歴史を積み上げてやっている芸術の世界なのだと実感した。

旅のこと | 【2007-04-30(Mon) 22:34:38】
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ミラノ滞在記Last 雨のミラノから晴れ渡るパリへ
最終的にはマッシモの舞台にも納得して、頭の中は残像とショパンで一杯。
朝が早いので劇場から帰って荷作り。その間もMDプレイヤーを身体にぶら下げてショパンを聴いている始末。
幸福な記憶とおもいが行ったり来たり。

翌朝もミラノは雨。7時半頃にタクシーを呼んでもらい、朝食は取らずにリナーテ空港へ。
車中ではずっとどんよりとした空の下のくすんだ街並みを眺めていた。
今度来る時も夏ではないから、こんな感じなのだろうか。
チェックインを済ませパニーニとカプチーノで朝食。時間はたっぷりあるのでお店をぶらぶら見て歩く。
といってもリナーテはあまり充実しているとは言えないよう。お土産に手頃なお菓子をみつけてレジまで持っていったがカードが使えない。CDGでTCを換金するつもりだったのでユーロのキャッシュがあまりない。キャッシュが足りないと言うと問題ない、と言って品物を引きとって解放してくれた。
空港の売店でカードが使えないとは。もうひとつの新しいマルペンサではそんなことないのかもしれないが。

多少雑誌や書籍なども見たが空港あたりでダンス関連のものなどある訳はなく。ミラノ市内で書店に行かなかったのが悔やまれる。
買い物の道も閉ざされてさっさと出国することにする。月曜の朝、ヨーロッパ内を仕事で移動する人が多いのか、けっこうな人の列。出発が迫っている便の人は列を追い越していく。
あとは出発までゲート前の椅子で音楽を聴きながら待っていた。すこしショパンからも離れてみる。
飛行機が飛び立つ場所、列車が出る場所でそれを待つというのはいろいろとセンチメンタルな気分を呼び起こすもので、まあそれに身を任せていた。
ミラノにはスカラ座があり、マッシモがいるから私にとっては特別な場所になる。ミラノという街そのものを愛している訳ではまだないけれど。
また来るのだから今度はもっと街とも仲良くなろうと思い、冷たくはなかった、概ね優しかったことに思いをはせ。
離陸した瞬間には心の中で感謝と再会をひっそりと告げる。

曇天のイタリア上空、雪で真っ白な山並み。けれどパリは晴天。明るく輝く空に春を感じる。
晴れている、お日さまの光とはこんなにも人の気持ちを明るくするものなのか。
今度は無事出てきた荷物を受け取り、換金をしてタクシー乗り場へと向かった。

旅のこと | 【2007-04-29(Sun) 18:29:55】
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ミラノ滞在記6 TEATRO ALLA SCALA という場所3
ミラノ滞在3日目は朝から雨。
ぼちぼち旅の疲れが出てくる。街の真ん中に泊まっているのをいいことに早足大股で歩き回ったため足が筋肉痛。前夜マッシモの舞台の興奮と微妙な複雑気分とで眠りにつくのが遅くなり、この日は寝坊。おまけにこの夜の間にヨーロッパは時計の針を一時間進めて夏時間になっている。
月末の日曜にあるという青空骨董市に行くのは諦めてブレラ美術館で宗教画に包まれる。
遅い昼食の後ホテルの部屋にこもってすこし書きもの。
ベッドに枕を二つ積んでその上に足を投げ出し、ヘッドボードに寄りかかって持参した台紙のしっかりしたレポート用紙に向かう。いくつもある枕はこうした時に役に立つ。

雨は夜になってもやまない。傘をさしてスカラ座へ。
この日は平土間の席。
座席番号は合理的。列は前方からアルファベット順。右と左のブロックに分けられ、センターと反対端から席番が始まる。席番が小さいほど端。ただし列によって席の数は違うから、真ん中から番号を始めた方がより合理的な気もする。
真ん中よりは後ろ、右ブロックのセンターから数席め。傾斜は極めて緩いので、前に体格のいい人が座ったらアウト。前にはカップルの男性が座った。その男性の前の女性が体格、姿勢の良い方らしく、男性もときどき身体をずらす。上演中に隣の妻になにやら話しかけることもしばしば。そんな状況だったが、視界はまあまあ良好でそれほどストレスは感じないで済んだ。
驚いたのが椅子。大変座り心地が良い。ぴたっと吸い付くようで疲れない。2004年12月に終わったという改修の効果なのだろうか。


“ミラノ滞在記6 TEATRO ALLA SCALA という場所3”の続きを読む>>
旅のこと | 【2007-04-28(Sat) 23:55:15】
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ミラノ滞在記5 TEATRO ALLA SCALA という場所2
昼間の明るいうちにスカラ座まで出向き、大きな本日のキャスト表を見て今宵の椿姫にマッシモが出ることを確認。
公演前の今日の食事は買ってきて部屋で済ませる。
すこし時間がなかったので、ああ着替えもしなければならないし、と落ち着かない。いよいよマッシモの舞台が観られるので既に舞い上がっている。
パンプスを履いたので、ウォーキングシューズでがしがし大股で歩いていたようにはいかず、歩調を緩めて石畳の上を歩く。
どきどきが治まらない。昨日と同じスカラ座前の人混み。
チケットをもぎってもらってキャスト表をもらいに行く。
このあたりで舞い上がり状態が頂点に達していたのか、ふらーっと心ここにあらずの態でテーブルに近づいたら劇場職員の若いお兄ちゃんに
「GENKI?」
と言われてしまった。
“元気?”日本語!ハッと我に返り反射的ににっこり微笑む。
「元気。大丈夫」と日本語で応えているし。

この日の桟敷は真ん中よりすこし下手寄り。前日よりは舞台を正面から見られる。ただし席は4番で2列目下手寄り。
桟敷に入っていくと1列目には母と娘が既に椅子の向きを変えてしっかり陣取っている。3番は白髪の美しいスリムな老婦人。彼女にチケットを見せて確認してもらい座る。
後から5番6番のカップルがやって来る。女性の方は臨月かしらというぐらいお腹が大きい。そのカップルと老婦人が会話している。おそらく「まあ、いつ生まれるの?」みたいな感じ。
前日他の桟敷を観察したところ、2列目から後ろは立って見ている人がかなり見受けられた。5番6番の二人は私と反対側の長いすに座るようなので多分立っても邪魔にはならない。
最初は座っていたが、マッシモが出てきたあたりから立ち上がり(つまり始まってすぐ)、オペラグラスを覗きっぱなし。
休憩の時にカップルの彼に英語とジェスチャーで邪魔になっていないか訊いたら、ノープロブレムと言ってくれたので安心する。
1列目の母と娘はコミュニケーションの輪に入らず、トイレにも行かず座りっぱなし。
メンバーによって雰囲気は変わるものだ。
上品な老婦人は舞台が始まるとぼそぼそ何かつぶやいている時もあり。あまり気にならなかったけれど。
その中に立ちっぱなし、オペラグラス覗きっぱなしの日本人。最も必死の形相で鑑賞してた訳で浮いていたかもしれない。

二日目なのですこし場に慣れて、休憩時に劇場内をうろうろする。上の方までは上がらなかったが、ブックストアに行ってみた。
いちばんに目に飛び込んできたのはPOBのLe ParcのDVD。10月にスカラ座初演だからプッシュしているのだろうか。
カルラ・フラッチのことを書いた写真も多そうな本。しかしイタリア語。
CDの棚にはオペラがずらり。その棚のところどころに夏のダンスフェスティバルの折チラシなども置いてある。
手にとって見たけれど、知らないダンサーばかり。
クリアファイルに入った写真見本。指揮者やダンサーや歌手の舞台姿。ロベルトのものは売り切れが多い。
マッシモも一枚あった。スカラ座オンラインでも売っている、'96/97シーズンのジークフリート。髪が短く若い。売り切れてはいない。なんだか恥ずかしいしあまり魅力的と思えない写真なので購入せず。
デ・グリューやアルブレヒトがあったら買うのに。シェリとか。
ブックストアをさらに下へ降りていくとTEATRO ALLA SCALA のロゴが入ったグッズなどもあったが、あまり魅力的なものもなく、がらんとしてスペースを生かしていない印象。

やっとマッシモの舞台を観られた喜び。
けれど前日のあまりにも素晴らしかったフェリとボッレの舞台と、この日が初日で固さの残るマッシモとの違いに複雑な思いを抱きつつ劇場を後にする。
改まった服装はすこし薄着なので冷える。まだかなり寒いミラノの夜。


旅のこと | 【2007-04-25(Wed) 22:42:45】
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ミラノ滞在記4 Duomo
二日目の朝、スーツケースは無事私の手元に来た。たった一日のお別れですんだのはラッキー、本当に良かった。
朝食をとるため降りていくと、昨日部屋まで案内してくれたベルマンのおじさんがニコニコ顔でスーツケースが届いてるよと声をかけてきてくれた。顔を覚えられているらしい。前の晩スカラ座から帰るとコンシェルジュにつかまり、夜遅く届くと連絡があったとは言われていたのだ。
朝食後スーツケースの中身を出して収めるところに収め、一昨日から着たきりの服もやっと着替えていざDuomoへ。

昨日散々その周りをうろうろしたDuomoにやっと入る。ガイドブックはさーっと読んであったが、これがあの有名な○○、みたいなことは考えずただその場の空気を感じつつゆっくり歩く。
とても大きい。天井が高い、なんて生易しい高さではなく。太い柱。あざやかな床のモザイク。すべて石、石、大理石。
たくさんの観光客が行き来する。うるさいというほどではないが静かではない。ざわざわした雰囲気。
その中にちらほらと観光目的で来たのではない人がいる。信者の座る席にひっそりといる人。
ろうそくを献じて祈る人。
告解もしくは信仰上の相談のため、順番を待つ人。
告解用のボックスは両側にいくつも並んでいて、私が行ったときに神父がいたのは3つぐらい。その中のひとつがとても人気のある、信望を集めている神父であるらしく、十数人もの人が待っていた。待つスペースには椅子がある。老若男女、人種もとりまぜての十数人。ここはカトリックの国なのだと改めて思い知らされる。
その一方で土曜日だったためかイタリア各地、ヨーロッパ各地からの観光客も多く、内陣の近くを横切るのも団体でざわざわと行く人たちがおり。
昔少々受けた教育のためこうした祈りの場ではつい静かに慎み深い態度になってしまう。
信仰を持っているわけではないのに、聖人の像などを跪いて見上げたい衝動に駆られる。実際身体を低くした方が仰ぎ見ることはしやすい。
祈りの場の空気に感染して、わずかばかりの献金とろうそく1本を献じ。手前勝手に少々感謝と祈り。

上天気の外へ出て今度は屋根に上る。もちろんリフトを使う方で。
しばらく並んで待ち、小さいリフトに十数人ぐらいだったかで押し込められて昇る。リフトを降りたその後も細く狭い通路や階段を戻ってくる人に譲ったり、譲られたりしながらゆっくり広い屋上部分へと進む。
確かに見晴らしは良い。天気が良かったのが何より。どこの方角の何を見ているかもわかっていないけれど気持ちは良かった。
たくさんの人が歩いてすり減っている大理石。よりかかれるところをみつけてしばし座り込む。まわりのひとを眺める。若いカップル、年老いた夫婦、子供を連れた若い母親、ティーンエイジャーの集団。もちろん日本人のカップル、親子連れも。

信者にとっては祈りの場、けれど世界各地から観光でやってくる者たちをも受け入れている、いろいろな顔をもつ懐の広い場所、そんな感想を胸にDuomoを後にした。

旅のこと | 【2007-04-22(Sun) 22:37:02】
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東京バレエ団「ドン・キホーテ」4月15日 東京文化会館
キトリ/ドゥルネシア姫:小出領子
バジル:後藤晴雄
ドン・キホーテ:芝岡紀斗
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:古川和則
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:木村和夫
ロレンツォ:平野玲

二人のキトリの友人:長谷川智佳子、西村真由美
闘牛士:大嶋正樹、中島周、松下裕次、野辺誠治、辰巳一政、長瀬直義、宮本祐宣、横内国広
若いジプシーの娘:井脇幸江
ドリアードの女王:田中結子
キューピッド:佐伯知香

申し訳ないが上野さんが好きではない。小出さんのキトリには期待していた。つまり二日間で観る側の姿勢にも差がある。
小出さんは期待通りというか、とても良かった。かわいらしさ、気の置けない街の娘の雰囲気、気の強さ、バジルが大好き、多少やきもちを焼いてもバジルに愛されていることをちっとも疑ってはいない。そんなもろもろが非常に好ましい形で合わさって魅力的なキトリとして存在していた。とても表情豊か。
リフト類は後藤さんとの身長差も有利なのか、ちょっと放り投げが入ったりなかなかアクロバティック。フェッテはオールシングルで綺麗に回りきった。バランスを長く見せたところはなかったけれど、全てを通して決めるべきところはきちんと決め、その一瞬のポーズがどれも十分な長さ。音楽と感情がはちきれんばかりに伝わってくる踊り。
細かい演技も多い役だが、ひとつひとつ自然に伝わってきた。
ジプシー野営地への転換時、幕の前で二人で踊るところもしっとりしていて良かった。夜なのだ。大好きなバジルと二人で逃げ出してどきどきしているし昼間とは違う顔になっている。
ドゥルネシア姫の時はガラっと雰囲気が変わってしとやかしっとり。現実ではなくて夢という感じが出ている。

後藤さんのバジルは優しい。それほどやきもち焼きには見えなくて、キトリを優しく包み込んでいる感じ。どちらかというとキトリばかり見ていたし、バジルとして強く前に出て行くより小出キトリを魅力的に見せ、支える方をとったようにも感じられた。
その二人に間に漂う雰囲気がなんともいえずいい。こちらも優しい、幸せな気持ちになる。
優しく見守るバジルとそのバジルのひろげた腕の中で思い切り弾けるキトリ。
小出さんの主役デビュー、くるみのときは残念ながら見ていないが、今後もこの二人の主演を見てみたい。

さて今日の木村エスパーダ。
登場するなりこみあげる笑いをこらえるのに苦労する。髪型を変えてきた。オールバックになでつけている。やはりきのうの微妙なたれた前髪は不評だったのだろうか。
そしてまた昨日はどうしちゃったのというぐらい笑顔。ときどきマジな表情になるが概ね笑顔。余裕が感じられ魅力アップ。セクシーないい男。
昨日指摘したマネージュはジプシー野営地でのヴァリエーション中だった。
実は今頭の中をエスパーダが登場して闘牛士たちと踊る音楽が回っている。ど真ん中から真っ直ぐに前進してくるところの。
高岸さんがエスパーダだと闘牛士達のボス、みたいな雰囲気が出るけれど木村さんにはそれがない。
昨夏は闘牛士達の大嶋さんや宮本さんあたりを探して見ていたが、今回はまったくその余裕なし。木村さんしか見ていなかった。
ジプシーたちと踊る時も後ろのメンバーはほぼ同じで、ここは東バの誇るえりすぐり男性ダンサーたちの踊りとなる。迫力があって好きだがサンチョパンサになってしまった高橋さんの不在が寂しい。
とは言っても今回は本当に白い衣装の真ん中の人ばかり見ていた。

奈良さんのメルセデスは若くて気の強い美人。なかなか良かったけれどまだ存在感、綺麗だけではない何かまではいかない。
井脇さんのジプシーの若い女は、昨夏とはまた違ってさすような鋭さとは違った雰囲気。何と説明したらいいのだろうか。前日の奈良さんがかなり強く激しい感情を維持して伝えてきたのとも違う。
強さをストレートに伝えるのとは違う次元に行ってしまったというか。
悲しみや、苦しみ、悩み、喜び、いろいろなおもいが静かに伝わってくるようだった。

昨日とはキャストが変わった二人の友人、ドリアードの女王、キューピッドもそれぞれ良かった。
やはり西村さんの踊りがかなり好きで、この方の真ん中はないのだろうかと思う。

とても楽しめた、幸福感のある良い舞台。

バレエ公演感想 | 【2007-04-15(Sun) 23:25:58】
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東京バレエ団「ドン・キホーテ」4月14日 東京文化会館
キトリ/ドゥルネシア姫:上野水香
バジル:高岸直樹
ドン・キホーテ:芝岡紀斗
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:古川和則
メルセデス:井脇幸江
エスパーダ:木村和夫
ロレンツォ:平野玲

二人のキトリの友人:乾友子、佐伯知香
闘牛士:大嶋正樹、中島周、松下裕次、野辺誠治、辰巳一政、長瀬直義、宮本祐宣、横内国広
若いジプシーの娘:奈良春夏
ドリアードの女王:西村真由美
キューピッド:高村順子

冒頭のドン・キホーテの芝居、芝岡さんが上手い。立ち姿、視線、目の色、表情でなんと多く語ることか。ああ、今はるか彼方を夢見ている、旅を思い描いている、とわかった。
高橋さんのサンチョは期待通りの芝居達者。ただもともと小柄でお顔も小さい方なのでたくさん詰め物をした太鼓腹がちょっと不自然。異様に大きい腹に小さい顔がちょこんとのっている。でもその表情が滅茶苦茶豊かでキュートなのだけど。
高岸さんのバジルは男らしい。キトリにべたぼれだしやきもち焼きだけど、男としての余裕も見える。
上野さんのキトリはやっぱり視線がコケティッシュ。くるんくるん大きな瞳があっちへこっちへ。下町の、美人だけど気安くてストレートな娘。ぷんぷんしたり、大げさに驚いたり、そういった普通の娘としての表情が現代的というのか、お上品とは言い難い。
踊りは二人とも豪快体育会系。雰囲気もそのまま。恋仲なのはわかるけど、さっぱりしている。
楽しいけれどそのあたりが私には物足りない。視線を絡ませて見つめあう、寄り添う、みたいのはなくていいのかしら、ドン・キって。あってもいいのでは。湿気がなさ過ぎるというか。スカッとさわやかすぎ。
たとえば町の広場からジプシーの野営地に移動するところ、装置転換をしている舞台の幕の前を二人は親しく踊りながら通るけれど。高岸さんからは情熱ラテン系が出てるのに上野さんはそれまでと同じニコニコ笑顔で受けている。色気なし。ここはしっとり見せてくれてもいいのではないのかな。
上野さんはたぶんいつも通りの上野さんの踊りだったのだと思う。足も上がるし、回るし、キメはきっぱり。バランスもきっちり。
ドゥルネシアはキトリ寄りなのでしとやかさが足りないけれど。
高岸さんにはすこし驚き。回転のスピードが凄い。ぐるぐるぐるんぐるんぐるんとダイナミックに見せてくれました。マネージュはつま先とか足の上がり具合があまり好きじゃないのだけど、それ以外はびしばし決めて飛ばしていた様子。そして確かに包容力がある。パートナーに対しても、舞台全体に対しても。要で締めているのがわかる。頼れる兄貴、親分。

木村さんのエスパーダは白鳥の湖でパンフレットを買って見た時から期待していた。あの美しいつま先は何?
しかし。髪型が微妙。その通りの片側は後ろになでつけ、前髪を反対側にたらしたようなお姿で登場。その前髪が別の生きもののようにたらんふわん揺れている。
ええと。ファンなので心の中で修正。その前髪は置いておいて。
ああやっぱり美しいつま先だ。でも表情が固い固い。まっすぐ遠い前を見る目がいっちゃってる。
クールに決めているエスパーダなのか、いやあ緊張しているとしか見えません。
艶然と微笑む井脇さんのメルセデスとクールで怖い顔の木村エスパーダ。
布(名前がありましたが今わからない)さばきはほぼ問題なく、でもそれを持っているせいか脚がいつもより動きづらそうな。メルセデスには丁寧に接しつつ俺の女。メルセデスが踊っている時に他の女の子に語りかけちょっとくどくときも物腰が丁寧。いかにも色男という感じではないけれど、それもいいかと思ってしまうのはファンの欲目かな。
酒場でのバリエーション(だったと思う)のマネージュがやっぱり綺麗。この人のマネージュの時のつま先と前足の上がり具合、後ろ足の開き具合が好み。実は東バで一番美しいと思っている。
このあたりだったか、登場後山場を越えたら最後の方みんなと踊る時はけっこう笑っている。その笑顔を最初からもうすこし出してくれないかしらん。

井脇さんのメルセデスは美人でかっこよくてきりっとしている。エスパーダを愛しているけど一人できっちり立っている感じ。
奈良さんのジプシーの娘がなかなか良かった。井脇さんほどの迫力やどこか壮絶な感じはないけれど、きちんと彼女の物語、悲しみ、強い思いを感じた。
脇固めはみな良かったと思うし、白鳥初日のような固さもなかった。
平野さんはあのセクシースペインはどこへ?というぐらい見事にロレンツォに化けているし、古川さんもガマーシュなりきり。フィナーレで登場する時もそれまでは腰を曲げていたロレンツォがぴんとして踊り、そのあと脇にはける時腰に手をやる。この二人はカーテンコールでも小芝居していた。キトリを未練がましく見るガマーシュの肩をたたくロレンツォ。こういうところは大好き。
西村さんのドリアードの女王はすこし安定感を欠いたものの、あのふわっと空間に開いていくような感じが相変わらず素敵。ためなのか呼吸なのか彼女の周りの空間が独特に切り取られる。
二人のキトリの友人も文句なし。佐伯さんは涼しげに華やかで、乾さんはもうすこし体温を感じさせるけれどはっきりとした踊り。
高村さんはキューピッドのときはとてもいい。いつもきれいに踊っていると思うが、何人かでユニゾンになると音のとり方、アクセントのつけ方が必ず他の人と目だって違うように見え、好きになれないが。

脇はいい感じだし、明日のメインカップルの方がおそらく好みなので楽しみ。なんと言っても小出さんのキトリには期待が高まる。後藤さんもザ・カブキできゃー、セクシーで魅力的なのねと再認識したところだし。

バレエ公演感想 | 【2007-04-14(Sat) 22:59:48】
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東京バレエ団、セミオノワ&フォーゲル「白鳥の湖」4月9、10日 東京文化会館
オデット/オディール:ポリーナ・セミオノワ
ジークフリート王子:フリーデマン・フォーゲル
王妃:加茂律子
悪魔ロットバルト:木村和夫
道化:大嶋正樹(9日)/松下裕次(10日)
パ・ド・トロワ:小出領子、長谷川智佳子、中島周(9日)
高村順子、佐伯知香、古川和則(10日)
スペイン:井脇幸江、奈良春夏(9日)/田中結子(10日)、後藤晴雄、平野玲

ポリーナのオデットは登場するなりとても存在感があり、「静寂」という言葉が浮かんだ。あまり悲劇的な色合いは濃くなく、頑なでもなく、王子に驚きつつ案外自然に心を開いていくように見えた。多少好奇心もある様子。
アダージョでの細やかな感情表現が素晴らしい。すこしずつ心を開き、想いを寄せ、身を預けていく、自分の気持ちを受け入れていく過程がとてもよく伝わってきた。
それは王子が後ろから腕をとって抱きしめるようにする、何度も繰り返される動作の変化で見事に表現されている。最初は逃げるようにし、けれど自分の心は揺れ、信じたいと思い、また迷い。やがてそっと身を寄せ、最後には預ける。
ただし悲劇的な運命に従ってきた孤高の白鳥の女王という感じは希薄。
オデットが王子に心を許していく様にはとても共感でき、初日には思わず涙ぐんだ。王子に恋していくのがわかる。
王子が誓いを立てた手をとってほほを寄せるところ、初日はああ、あの動作、としか思わなかったが、二日目、オデットの嬉しそうな様子に気づいた。
「誓いなんて・・・」という諦めを感じさせるオデットもいるが、「嬉しい」と言っているのが見えるようだった。
そう、ポリーナのアダージョは最後とても幸せそうなのだ。
ポリーナは初日から固さ、緊張とは無縁に見えるがフリーデマンは違った。初日は明らかに固さがあり、二日目にはぐんと良くなった。
アダージョはよほど二人で何度も打合せをしてつくりあげたのだろう、細やかなポリーナの表現にひたすら寄りそうフリーデマン。
まっすぐにオデットに惹かれ、その思いのままに押していく。引かないけれどそっと優しく。とても優しい王子。
印象的だったのはオデットの腕が触れたその場所、さっきまでオデットの腕があった場所に思いをのこすかのようなしぐさをするところ。オデットの存在そのものが彼にとって感動的なのがわかる。後ろから腕を取るときもほんとうにそうっと優しい。
ふたりの感情の動きが良く伝わってくる。
初日はただ立っている時の背中にスキがあったり、ヴァリエーションの冴えがいまいちだったが二日目は見事にスイートな王子だった。
ランベルセ、アラベスク、しなやかな腕と柔らかな背中が甘やかなラインを描き出す。目に残る軌跡の残像までが甘い。今の若さが持つものなのか、彼の元々のものなのか、実にスイートで魅力的なダンサーなのだと悟った。
ポリーナのテクニックの冴えは言うことなし。脅威の上体の柔軟性!大柄な身体を生かしてとてもダイナミックなのに繊細。

オディールは咲き誇る大輪の真紅の薔薇のようにあでやかに誘惑する魅力的な悪魔の娘。
昨年マラーホフの贈り物、世界バレエフェスで見たときより自然にストーリーに溶け込む感じで突出しない。

誓いが破られた後はひたすら悲しみ涙するオデット。
印象に残ったのはロットバルトが倒れ、自分が生きていること、人間に戻れたのを確かめた後、
「きっと振り返れば彼がいる」と予感に満ちて立つ姿。パ・ド・ブレしていたかどうか。とにかく振り返れば彼がいるのだという期待感がストレートに伝わってきた。それはオデットの喜び、王子への信頼。

木村さんのロットバルト。踊りは冴え、美しい脚、つま先、ジャンプを堪能。何しろずっと兜のような被り物をしているので表情が伺えない。顔、首から肩の伝える情報量の多さを思う。ロットバルトが出てくる時は必ず暗いので、また暗い色のタイツによって彼の美しい脚が見え難いのだが、それでもパ・ド・トロワより、道化より鋭く踊っている。
存在感と怪しさは控えめ。対決はやる気満々。
舞踏会では手塩にかけて育てた娘オディールを信頼し、任せて見守る、それこそ自慢の娘を見守る父親のように見えた。考えてみれば素性は良くわからないが周りをなぜか納得させる怪しい親娘で、王子のお妃選び舞踏会にやってきたのだから、「ウチの娘は素晴らしいでしょう」でもおかしくない訳で。

初日は東バのダンサーに固さが見えた。とくに一幕。大嶋さんの道化も重たいし、パ・ド・トロワはどこかかみ合わない。中島さん不調?
松下さんの道化はとても良かった。軽やかでとても可愛い。ニコニコ笑顔がチャーミング。
パ・ド・トロワも2日目の方が音楽に乗って生き生きとなめらかだったように思うのだが。
スペインは両日とも堪能。平野さんがセクシー。この方のセクシーさはどうも私に強く訴える。後藤さんも水も滴るいい男、とでもいうような色気。女性陣もかっこいい。
白鳥たちはすこしバタバタしていたが悪くなかったのでは。

大感動!という程ではないがポリーナとフリーデマンのつくりあげた世界を十分に味わい、説得された。
東バの白鳥の湖全幕は3回目にして、ようやくこの版の評判が芳しくないことに共感する。
特に一幕。退屈。振付に魅力がない。一幕のあのうきうきした音楽に乗る楽しさがない。暮れのマリインスキー3連続鑑賞の学習効果か。
あっさり四幕は嫌いではないのだけれど。

いつも王妃の加茂さんのドレス捌きがいまひとつだと思うのは私だけだろうか。

バレエ公演感想 | 【2007-04-14(Sat) 01:02:09】
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明日から東バ週間
旅関連を書ききれないうちに、いよいよ明日から東バ週間。
リハビリのため只今のBGMは「白鳥の湖」

椿姫の余韻は本当に長く続いた。それも明日で一区切りとなるだろう。
目覚めてたとえ違うメロディが頭の中を流れていたとしても、ショパンのどれかを引き寄せてみるともう、そこから離れられない。いろいろな場面の断片が浮かぶ。その断片はみな美しくもかなしい感情を伴っている。幸せだったが少々苦しくもあった。マルグリットの、アルマンの痛みを追体験しているようで。
ショパンのいくつかの曲をただ演奏会で聴いたとしても、椿姫を思い出さずに聴くことはもう不可能だろう。
楽曲のもともと持っている美しさ、悲しさ、激しさ。
それをまるでそのために作曲されたかのように適材適所に使ったノイマイヤー。恐ろしい。
ノイマイヤーの椿姫印の楔と共に私の胸に打ち込まれてしまった。

違う音楽もどんどん聴き始めたし、昨夜はとうとうフェリとマッシモのジゼル映像を見てしまった。実は初めて。
感想はまあおいておいて。「アレッサンドラ・フェリのジゼル」という表題がつけられているのが、アルブレヒトについてはほとんど言及されない映像なのがまあわかったけど。

どうしても彼が見たくなったから。
全幕の映像が2本もあればないよりはずっと幸せだが、静止画像でもいい、もうすこし彼の写真があればいいのに。
もう手元にある雑誌などの写真は飽きるほど何度も眺めてしまった。もともと少ないし。
幸せな余韻もその世界にずっと遊ぶあまり、想いだけが濃くなって苦しい。行き場を探して駆けずり回る。
そんなに思いつめるから長続きしない。
こんなにマッシモという名前を連呼してブログを書いたことはかつてなかった。


明日から手のひらを返したように木村さんと連呼しても大目に見てやってくださいませ。
ココはそういうやつが書いているところでございます。


ただの日記 | 【2007-04-08(Sun) 23:01:09】
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ミラノ滞在記3 TEATRO ALLA SCALA という場所1
スーツケースは相変わらず届かない。
電話で問い合わせると21時以降にもう一度かけるよう言われ。
これはいよいよすぐには荷物が来ない、最悪道中ずっと来ないのもありかとホテルのコンシェルジュに教えてもらって小さいスーパーに洗剤を買いに行く。
成田で時間がありシャワーを浴びたりしていたので化粧道具と下着の替えはある。
ただし前日から着たきりの普通の服が・・・せっかくスカラ座用におニューのちょっと改まった服を買ったのに(当然今後はどこの劇場に行ってもこれで押し通すつもりで散財。ただしたまーにオーチャードホールあたりにいるタキシードの連れのレディみたいなかっこじゃありませんから)。
靴もバッグもあーあ。

それでもバッグの中身をぐっと減らしてたすきがけなどせず、スカラ座へ。
平らな場所にすくっと建物があって、道路から入り口の間の回廊部分がせまいからそこに人がひしめいている。人の波について入り口を入る。すぐにチケットもぎりがいてその先はホワイエ。右手の方にテーブルがあり、パンフレットを売っている。テーブルの上にはどびらーっとキャスト表が広げてあり自由にもらえる。
スカラ座の劇場内職員はそろいのお仕着せを着ていて、メダルみたいなものを下げている。これが何を意味するのかいまだ不勉強にして知らず。かなりの数いる。
初日は上手の桟敷2階、2番席。たくさんうろうろしている案内係に教えてもらい、クロークにコートも預けて席へ。クロークも桟敷番号ごとに決まっている。ひとつのクロークに桟敷二つ分らしい。

同じ桟敷の方々は1番がカップルのレディ、3番、4番は年配の品がいいイタリア女性、5番がカップルの男性という構成。私が入った時は3,4番の女性たちだけがいた。チケットを見せるとあなたはそこよ、と手すりに面した1列目、舞台よりの方を教えてくれる。開演も近くなってカップルが慌てた様子でやってくる。この桟敷という狭い空間にいっしょになったらコトバを交わすのが自然。年配の女性たちがおだやかないい方たちで、若いカップルに何かアドバイスしたり、イタリア語の会話にはついていけない私も疎外感を覚えることはなかった。
幕間に泣きはらした顔が照れくさいので、胸にせまる、たくさん泣いてしまったとゼスチャーしたら、そうよねと同じくゼスチャーで返してくれた。優しいおばさま。

この日の桟敷では1列目の椅子の向きを直さないで見ていたので姿勢がとても辛かった。最初はなんと、手すりに平行になる形、つまり背もたれが手すりと直角に、1番と2番は向き合う形で並べられているのである。私は2番だから舞台に背中を向けて座ってえいやっ、ぐいっと上体をひねって見ることになる。辛い。2幕目からは手すりに背を向けて座り上体をひねる角度を半分にして見ていた。でもこの椅子の向き、直していいらしい。椅子の向きは直さないの?みたいな会話をおばさまたちしていたと思うけれど。ううーん。
カップルの方は2幕目から1番席に彼が座って彼女をだっこして見てました。いいな。かわいい。まあそんなに楽ではないだろうけど。

お隣のひとつ舞台よりの桟敷1番におじさんがすわっていました。つまり私のすぐ前。この方がかなり肘を突き出すように手すりについて身を乗り出してくる。オペラグラスを見るときも持ち上がる肘が私の視界をさえぎる。日本だったら何か言うけど、ココではどうしようもない。あまりに目に余るので手をそーっと延ばしておじさんの肘辺りにタッチしてみた。おじさん邪魔なのよー、もう少し控えてよっ。
それでもまったく変わらず困っていたら、彼のせいで見えなくなるのは1番のレディも同じだったらしく幕間におばさまたちとその件で会話している。そうしたら2幕目の途中でまたおじさんの乗り出しがひどくなったとき、3番のおばさまが私の後ろから手を伸ばして振り返らせ注意してくれた。
それからは私が泣きながら鼻をすする音を立てただけでびくっと気にしてくれるようにはなったので、ときどき泣いていなくても鼻をすすって「ひっこめー」とやっていました。

驚いたことに桟敷のドアは閉めてしまうと鍵なしでは内側からしか開けられません。休憩時間に外に出ても、誰かが先に入ってドアを閉めてしまったら案内係に鍵で開けてもらわないと入れない。
この桟敷の密室性は昔の観劇、桟敷を借り切ったり、というあたりを連想させる。マルグリットの桟敷観劇にはお金がかかっていた訳で。桟敷を借り切れる財力がある男とそうでない男・・・

桟敷のお仲間とはいい雰囲気で過ごせたが、この日はまだ私がスカラ座に人見知りしていて場所を楽しむというより必要なところだけ足を踏み入れてそそくさと帰る、という感じでした。


旅のこと | 【2007-04-07(Sat) 23:38:36】
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ミラノ滞在記2 建物が見えてきただけで動悸が上がる
だいたいこっち、程度の感覚で多めに歩いた後いまひとつおいしくない上に高いスパゲティを食べたり、荷物が出てこなかったら、と予備のタイツや靴下を買ったり。現地の旅行会社にチケットを取りに行った後。
いよいよスカラ座へ。
ドゥオモ広場からヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアを抜ける王道コース。
あれがそうだ、スカラ座の建物が見えてくる。一歩一歩近付いていくにつれて。
ドキドキして胸が高鳴る。
とうとう来てしまった。
とうとうマッシモを見たいがために来てしまった。スカラ座まで。

スカラ広場を通り、トラムの軌道がある道を渡る。
フェリの写真の椿姫のポスター、今日の配役表、シーズンラインナップ。たくさんの掲示物。
椿姫の上演日ごとのキャスト表を見てマッシモの名を確かめる。
そのひとつひとつを見上げるたびに感に堪えない表情でほうけている怪しい日本人女。
まわりはもう見えていない。
スカラ座博物館に入る。展示物はそれほど興味をそそられなかったが、劇場を覗くことができる。
中央から下手に向かっていくつかの桟敷が開けられており、ちょうど仕込みをしている舞台と客席が覗ける。
赤と金を基調にした豪華な内装。奥行きも高さもたっぷりの舞台。平土間に並ぶ赤い座席の列。
こんなにたくさんの桟敷が層になって馬蹄の形に舞台と平土間をとりまいている。

ここでまた一段と動悸が上がる。
これから3日もこの劇場に通う。
しばらくしたらフェリとボッレの椿姫で、明日はマッシモに逢えるはず。
ああどうしよう。やっとやっとマッシモの舞台が見られる。
ちょっとした団体が去った後、ぼーっと桟敷の手すりにもたれて長いこと舞台や客席を見るともなく見ていた。
すこし涙腺を緩めながら。

展示物はオペラが中心、バレエ関係であったのはラ・バヤデールの衣装、ヌレエフの肖像画。
たくさんの過去の上演ポスターが歴史を語る。オペラ歌手の名前はわからないが、指揮者やソリストならすこし。
トスカニーニ(とてもたくさん)、シノーポリ、アバド、ロストロポーヴィチ・・・
博物館をふらーっと出るとダフ屋がいたが用はないので通り過ぎる。
既にこの時からスカラ座の魔法にかかっていたのかもしれない。

旅のこと | 【2007-04-06(Fri) 23:39:26】
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ミラノ滞在記1 はじまりはロストバゲージ
12年ぶりの出国に15年ぶりの欧州行き。全日程一人の海外は初めて。個人手配は今までもしたことがあったけど。
しっかり1日仕事をしてエールフランスの夜便で出発。ここできっちり眠れるかどうか、と構えていたらその日その便は空いており座席3つ占拠して横になれた。たっぷり睡眠快適フライト。
次の心配は乗り継ぎ。早朝4時ごろCDGに着いて7時発のミラノ行き。スルーチェックインにしたかったためミラノまでもAF。これまた何の問題もなくスムーズに。
待ち時間に椿姫を読もう、とか思っていたのになんだか落ち着かず進まない。
やっと外が見られる明るい時間のフライトで景色を楽しみつつ、ミラノは古い方のリナーテ空港へ到着。
こんなに快適にここまで来られちゃっていいのかな~、これから何かあるかも、嫌な予感がするなと思っていたら。
ロストバゲージ。
古くなってどこか寂れたリナーテ空港(伊丹みたいな感じ)のターンテーブルにいつまでも少ない数の同じスーツケースがぐるぐるしている。
仕方なくカウンターへ行きつたない英語のやりとり。
向こうの言わんとしている事はだいたいわかるけれど、早口にブロークンでしゃべられると細かいことはさっぱり。
クレイムタグを見て調べて何かわかったらしいけど、そこの説明が理解できず。午後?夜?
とにかくホテルにデリバリーしてくれるらしく、書類を書いてスーツケースの鍵を預ける。
スカイチームマークの入った青いビニールポーチ“ロストバゲージしちゃってごめんなさいねキット”を渡される。
身体のどこかを置き忘れたような感覚で、機内持ち込みしていたバッグとショルダーのみという身軽さのままタクシーの列へ。
「Hotel ○○、per favore」と一応イタリア語を混ぜてみる。
なかなか大阪な運転。途中事故で止まっているバスをよけるためにレーンの仕切りの分離帯段差をエイコラッセと乗り越えていったのには驚いた。
リナーテはミラノの中心から7kぐらいの近さ。だんだん中心地に近付いているのはわかったが、つながる地図を持っていなかったので方向感覚がつかめない。
ホテルについてチェックイン。ロストバゲージのことも伝えると、
「たぶん届くのは夜だね~経験から言ってね。まあ見つかったらだけどねー」などど明るく英語でのたまうレセプションのおじさん。
まだお昼前だったけど部屋にはちゃんと入れた。今回はホテルを落とさなかったので、十分すぎる部屋。大きなベッド、ちゃんとバスタブ。ひとりになってほっとして、かなり長いこと呆然と途方にくれる。
冷蔵庫にサンペレグリノを見つけて、一本いくらかしらんと思いつつ飲む。この発砲水は好き。
なかなか外に出て行く勇気が出なかったが、ずっとこうしている訳にも行かないのでホテル周りを歩いて地理感をつかみつつ何か食べることにした。

旅のこと | 【2007-04-06(Fri) 22:54:45】
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POB 失われた時を求めて オペラ・ガルニエ 3月26日
感想とはいえないです、鑑賞記のような、なんというか。

ALBERTINE:Isabelle Ciraravolla
UN DANSEUR:Manuel Legris
MOREL:Stéphane Bullion
MONSIEUR CHARLUS: Simon Valastro
SAINT LOUP :Hervé Moreau
LA DUCHESSE :Stéphanie Romberg
PAS DE DEUX :(LA PETITE PHRASE DE VINTEUIL)Mathilde Froustey et Christophe Duquenne

もっと詳しいキャスト表を持っていますがサボっております。
ミラノで3日も続けて椿姫を観てその世界にどっぷり浸りこんだままだったので、時間もたってしまった今印象がはるか遠くに行ってしまいました。
ミラノ最後の晩に遅くなり、荷造りなんかしてたらあまり寝る時間がなかったのでパリのホテルに入ってから仮眠。ちょっとのつもりが3時間も寝てしまい、はっと気づいたら開演1時間前。焦りました。携帯で目覚ましかけておいたはずなのにーってマナーモードのままベットに放り出した携帯がアラームでぶるぶるしたって気づくわけはない。
おなかすいた、顔も髪も乱れてる、着替えなきゃ・・・
なんとなく身なりを整えガルニエに向かって歩き出しました。近いホテルにしておいて良かった。食べてる暇はもうない。
ドキドキの初ガルニエのはずが、時間がないのドキドキも追加されて、慌てて席に。今回の旅行で実は最も良席。ORCHESTREのかなり前のほうで真ん中。
クロークにコートを預け、パンフレットを購入。
さすがにパリオペラ座、日本人率がスカラ座の比ではありません。ちょうど市川ファミリーが歌舞伎を打っていた時期なので両方見ている、バレエはついで、とかいう方もいたのかもしれません。

さて「失われた時を求めて」
原作を読むことはおろか、事前の勉強をまったくしていません。旅行の準備関連で力尽きて椿姫原作すら出発間際に読み出して終わったのは帰国後なんですから。自慢になりませんが。
ではなんで同じ日にバスティーユでドン・キを観なかったのか。
初めてのPOBなのでガルニエで観たかったのと、ああすみません、2003年の日本、ローラン・プティ・グラン・ガラで「モレルとサン・ルー」をルグリとマッシモが踊ったからです。今回の公演で映像化されるのを知る前だったので「モレルとサン・ルー」だけでもとにかく見たかったのです、どんな作品なのか。
不純な動機。
作品の世界を、登場人物達の背景を理解していないと楽しめない作品ですが、3時間の仮眠が効いたのか眠くもならずいろいろ感じながら見ることができました。

女性同士の愛、男性同士の愛、かなり倒錯的。
MONSIEUR CHARLUSのSimon Valastroがとてもいい。
シアラヴァラの脚って本当に美しいラインでみとれる。もちろんルグリとのPDDは素敵。
それにしてもPOBのダンサーは粒揃い。同じメソッドの方々が量でせまってくる。
MORELのStéphane Bullionもなかなかです。背中側からだけですがオールヌードがあり、少々うろたえました。
楽しみにしていた「モレルとサン・ルー」まずサン・ルーのエルヴェ・モローのソロから。
フォーレのエレジーにのって美しくどこか内向的なモノローグといった趣。モレルが登場すると妖しさが増す。しかしモローも今一歩押しが強くないタイプのダンサーと見ました(つまり好みな方)。彼は一度一昨年のエトワール・ガラで見て、アッツォーニとのシルヴィアのPDDがとても良かったので一応注目してたのです。
そして謎が深まります。マッシモが踊ったのはどっち?ダンスマガジン2003年7月号のインタビューによればモレルらしいのですが、サン・ルーではないのかしらん。
そういえばシアラヴァラとルグリのPDDもマッシモは踊っているはず、ラカッラと1997年に世界バレエ・フェスで。
プティを踊らなくなったマッシモ、踊れなくなった(プティが許さない)?なのか。

などど物思いにふけり、POBに対して礼を失した鑑賞の仕方になってしまいました。

休憩時間にはサンドイッチとミネラルウォーターを買って大階段を見下ろすグランド・ホワイエの側の手すりあたりで食べてました。従ってガルニエ内をうろうろする時間はとれず。終演後はカフェなどほとんど閉まっており、ここで食べておいて正解だったのでした。

映像が発売になったら購入させていただきます、POBさま。

バレエ公演感想 | 【2007-04-05(Thu) 23:56:23】
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NHK教育のイタリア語会話
昨日4月2日からNHK教育でイタリア語会話の新しい期がスタートし、私もテキスト片手に臨みました。
昨年の5月、6月はテキストを買ったもののあまり見ることが出来ず、そのうちフランス人ダンサー(ステファンです)にも引き寄せられてしまったので、ダンサーを好きになるたびにその母国語とか言ってたらキリがない、まず英語だわとやめてしまいました。
まあその後サンクトペテルブルグも行きたいとか思った訳で、我ながら気が多くて困ります。
自分の場を持とうと思った最初のきっかけ、マッシモへのおもいがようやくブログにてんこ盛りになっている今日この頃、熱い思いのままにイタリア語リベンジです。
10月も行くつもりだし、もうすこしイタリア語と仲良くなっておきたい。
帰国後いまだにどっぷり椿姫とマッシモを引きずっている私に気づかせてくれたのはアヌビスさんのこの記事
ありがとう!
まずは休まず続けること。でも英語ももう少しなんとかしないとね。

ただの日記 | 【2007-04-04(Wed) 00:09:47】
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ミラノ・スカラ座バレエ ジョン・ノイマイヤー「椿姫」3月24日、25日 モンタナーリ&ムッル
Marguerite Gautier : Emanuela Montanari
Armand Duval : Massimo Murru

Monsieur Duval : Bryan Hewison
Nanine : Simona Chiesa
Le Duc : Matthew Endicott
Prudence : Deborah Gismondi
Le Comte de N. : Riccardo Massimi
Manon : Marta Romagna
Des Grieux : Francesco Ventriglia
Olimpia : Lara Montanaro
Gaston Rieux : Alessandro Grillo

総合的には前日のフェリ&ボッレで見た気になって、マッシモ・ストーカーと化した2日間の鑑賞の印象を。
まったく冷静ではありません。ファンとしての偏った見方です。

24日はマッシモの初日。私の席はセンターからすこし下手に切れた桟敷。4番。つまり2列目。ほとんど立ってオペラグラスを覗きっ放し。上手舞台張り出し部分、全体ともよく見えた。
25日は平土間の後ろの方、センターより数席上手。前方の客の頭がときに邪魔になるが概ね良好な視界。勿論上手舞台張り出し部分も良く見え、近い。ただし舞台からの距離はフェリの日が最も近かった。

第一幕
先にロベルトの舞台を見てしまったのでやはり比較しながらの鑑賞になってしまう。
マノンの時にも感じたが、ロベルトは登場するなり華。マッシモは相変わらず地味。1年3ヶ月前にギエム最後のボレロツアーで見た時は、シルヴィ持ち上げ係としてマリファント作品を踊ったせいかけっこうムキムキだったのにやっぱり細い。舞台に存在する時のボリューム感が違う。駆け込んできても軽やかだし、倒れる時も“ばたっ”ではなくて“ぱたりっ”。父が駆け寄っての抱擁、ここでマッシモはすがりつく感じが強くなる。ああおぼれる子犬。
立ち上がってマントを翻し表情ががらりと変わるのがかっこよくてドキリ。
モンタナーリのマルグリットと視線が絡む。この視線を絡ませるときの表情が好き。マッシモだとアルマンが地味ないまひとつ垢抜けない若者なのが顕著。
モンタナーリは美しいけれどちょっと硬さがあるマルグリット。健闘しているのが見えて、自在なフェリとは比べものにならない。
椅子を引かれて誇りを傷つけられた時の表情。びゅんと胸に飛んで来る。
デ・グリューと踊るところで妙に感動。背中合わせで同じポーズをとった瞬間にきゅんときた。ああ1年3ヶ月ぶりに彼が踊るのを見ているんだわという。ちょっと細すぎて存在感が足りないけれど、まっすぐな軸、しなやかさ、美しい長い手脚は健在。

赤のPDD。被虐的なキャラクターが似合うマッシモのその身投げ出しに期待は高かったのだが、え?そんな感じなのーという肩透かし。普通というか情熱が足りないというか。マッシモが情熱的になってもそれは暗い秘めた情熱なのだが、あるんですか?情熱?淡白すぎやしませんかね。
初日はそんな感じで、こちらもパーツに期待してはいけないのだろうけれど、踊っていくうちにすこしずつ情熱が感じられるように。はっ!としたのが鏡の前で跪いた状態で後ろに立つマルグリットの手を両手で引き寄せようとするところ。かなり強い力で引いていてあっと思った。ここにある、ちゃんとあるのね、求める強さが。
初日はふたりとも硬さがあって、手順を追っているように見えるところもあったけれど、二日目はもっと自然に流れていた。
よく写真に使われるポーズ、アルマンが後ろからマルグリットの両手を取って抱きしめ、マルグリットは片足で立っているところ、こういう抱擁でぐっと引き寄せるのがマッシモには本当に似合う。
でもひざでいざりよるところがやっぱり淡白で、まあこの動きをこの人が嵌ってやったら本当にストーカーのようになってしまうかもしれないけど、なんか情熱がまだら模様。
動きと二人の感情のやりとりとがすこしから回り気味。二日目は概ね安心して身を任せることが出来たけどけっして過剰さはなくすこし物足りないぐらい。
しかしこのPDD、ずーっとじらされてはぐらかされてマルグリットの手に口付けできないアルマンのせつなさ。

さて前日は見ることがかなわなかった上手舞台張り出し部分でのアルマンの演技をこの二日はそれこそオペラグラス越しに舐めるように堪能。あの時劇場内で私以上にそこを見ていた観客はいないだろう。
amicaさんによればマッシモは大汗かきなのだそうで(私はちっとも気づいていなくて気にしてもいなかった。もともと汗かきでもたぶん平気で、その上○で目が曇っているから)、確かにこのPDDの後、大汗かいて化粧はくずれ、髪はびっしょり。劇場の柱にもたれふつふつとこみ上げてくる喜びに身を任せている。何度も髪をかき上げる。マルグリットが胸に刺してくれた赤い椿に口付ける。マルグリットがちょこっと寄って残していった白い椿を大事に持つ。初日は二つの椿を一度に持っていたりもした。二日目は赤い椿だけだったみたい。またマルグリットがやってきてつかの間の抱擁。まっすぐにマルグリットを求める欲望も感じさせる。なんだか私は覗きをしているみたいだ。それからここでアルマンは本も読む。たぶん「マノン・レスコー」
そのあたりの表情の変化をそれこそずっと見ていた。見ている人はそう多くないかもしれないが、演技を途切れさせることは許されない、アルマンとして存在し続けなければならないところ。
嬉しさがこみあげたり、幸福感に浸ったり、考え込んだり、あいまいな表情をしたり。
人によってはデクノボーにしか見えないマッシモらしいので、かなり私は深読みしてると思うが。
マルグリットは以前と変わらない華やかな生活を続けていて、アルマン、あなたは何を思っているの?それでもいいのね、幸せなのね、彼女を愛しているからそこにいたいのね、などど思う。

第二幕に向けて幕が閉まるときに田舎へ行く一行へと駆け込むところ、初日はほんとうにぎりぎり。すこしマントの扱いにてこずっていました。そんなとこまで観察してしまって申し訳ない。


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バレエ公演感想 | 【2007-04-01(Sun) 01:44:54】
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