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homia

Author:homia
homia(ほみ)
2004年春、山岸涼子の「テレプシコーラ」を読み
同年8月東京バレエ団40周年記念ガラからバレエに通い始める
2006年7月7日ブログ開始

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Trittico Novecento 写真が上がりました
Pictures

スカラ座ったらひどいわ。

本公演初日5月27日はストでキャンセル。でも写真は上がっていて、多分28日のキャスト。「バレエ・インペリアル」はフランチェスカ・ポディーニとガブリエーレ・コッラード。アントネッラ・アルバーノとリッカルド・マッシミがあるのはPreview for Young people(21日)の方かしら?
つまりマッシモ・ムッルの写真はありません。ストで流れなかったとして次にファーストキャストが踊るのは6月5日。ムッルとコジョカルの写真が上がることだけを楽しみにしていたのに!1回上げたらその後増やしてくれたりしませんからね。いつもそう。スカラ座自体には記録として写真はたくさんあるみたいですけど。

「放蕩息子」の方はアントニーノ・ステーラ君が素敵です。

ヴェンティリーリアの「Immemoria」では、前から顔を識別できて踊りもなかなか、好みのスレンダー君がChristian Fagettiだと特定できてこれはちょっと嬉しい。リハ映像でもわかっていたのですが。

で、相変わらずWeb上の2010-2011シーズンの演目リストに「マノン」は抜けたままです。
いつそれを直すのか楽しみだったりして。バカンス明けぐらいではないかしら。それはあまりにもバカにしてるでしょうかね。
ストといい、ちょっと恨み節~

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スカラ座バレエ | 【2010-05-30(Sun) 00:41:06】
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デ・グリューとジャン・ド・ブリエンヌ 情報追加 5/23
とりいそぎメモとつぶやき。

スカラ座の2010-2011シーズン ラインナップがWEBに上がりましたが、抜けている演目があるそうです。

バレエのみ触れます。WEBで見られるのは以下の通り。

ヌレエフ版「白鳥の湖」(ザハロワ)

世界初演「L'altro Casanova」振付:Gianluca Schiavoni(セミオノワ)

Gala des Étoiles(ボッレ)

ジュエルズ
(ダイヤモンド:ザハロワ、ボッレ、ソーモワ、コテ、ルビー:サラファーノフ)

ライモンダ ヴィハレフ再振付(ムッル、ノヴィコワ、コテ)

ところがこのリストは抜けている演目があるそうで、ボッレファン&フレンズの掲示板の情報によると、「白鳥の湖」の次は1月27日初日で「マノン」が入るらしいです。
ギエム&ムッル、ザハロワ&ボッレ だとか。

5月23日追加
「マノン」と出ているのは、
イタリア語のスカラ座オフィシャル 2010-2011シーズン ワジーエフのコメントPDF

です。ヌレエフ版「白鳥の湖」の次は「マノン」、ギエム&ムッル、ザハロワ&ボッレ という部分だけはさすがにイタリア語のコメントでもわかりますが、日程は1月から2月としか出ていない模様。
イタリア語の方のカレンダーを見ても日程は出ていないので、「マノン」についてはサイトアップからすっかり抜け落ちているようです。
毎回シーズンラインナップ発表時にエトワールの出演日も公表されたのですが、今回はそれがない。それにしても「マノン」がかかる日ぐらいは早く知りたいもの。
スカラ座さん、ちゃんと仕事してくださいよ~。


深夜にこのラインナップをみて、何度も演目を確認し、なんで5演目なの?いつも6演目あったじゃない、とがっかり。
ヌレエフ版の白鳥をボッレは踊らないらしいし、ムッルにいたってはライモンダだけ。御歳40になろうかというムッルがプティパのそれほど魅力的な人物でもないジャン・ド・ブリエンヌを踊ることに、今更意義を見出せるのかしら?まさかこれでスカラ座引退とかしないでしょうね?と大層悲観的になり、もうそれは鬱々としておりました。舞踊監督のワジーエフ氏の手腕に疑問符つけたりして。
「マノン」情報でやっと救われた思い。少しだけ心が晴れました。

ギエムは「マノン」も踊って、それから日本でアシュトンを踊って、ポワントを脱ぐのでしょうか。
ライモンダが10月から11月なので、ムッルは日本に来ないかもしれません。エトワールやゲストの出演日を明記していないのでまだ可能性は残っていますが。

プティパではない、現代振付家の何かでムッルに新しいチャレンジがあるといいのにな。

スカラ座バレエ | 【2010-05-22(Sat) 13:32:57】
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2010-2011シーズンは5月21日正午(イタリア時間)に公開!
New Season 2010-2011
The 2010-2011 Season will be available on the website on Friday 21 maggio at 12 noon.
Don't miss it!


だそうでございます。スカラ座のトップに行くとフラッシュ部分に
THE NEW SEASON IS IN THE AIR DISCOVER IT HERE ON MAY 21st.
と出ます。そこをクリックすると上記のページへ。当日はココに並ぶんでしょうね、ラインナップが。きっと最初はイタリア語のみです。

例年よりも早いですね。ここ2年ぐらい5月末でした。これが出ないと向こう1年半ぐらいの休暇と予算の計画が立てられないので毎年この時期はそわそわしています。
ムッルはまだ踊り続けてくれるのか。何を踊るのか、それはいつか。
イタリア時間の21日金曜日正午って日本では夜7時(今はサマータイムで時差7時間)、勤務中にそわそわする必要はなさそうです(不良社員~)。でも予定があるので遅い帰宅までおあずけ。

Trittico Novecento の under30、手元のシーズンブックでは5月20日になっているのですがいつの間にか21日になっていました。キャスト詳細も数日前に上がりましたが、この日のバレエ・インペリアルでのムッルのお相手はFrancesca Podini、最近抜擢されている若手の美人さんですね。確かロベルト・ボッレの記事が出た雑誌「アマレーナ」の特集ページで取り上げられていたはず。そうそう、Serata Bejart でも第1キャストで「春の祭典」の生贄の乙女でした。

コジョカルとの写真はきっと6月初めにはアップされるでしょう。楽しみです。
しかし最近ストでオペラ公演がキャンセルになったりしている、スカラ座さん、頼みますよ~ちゃんと公演して下さいね。

スカラ座バレエ | 【2010-05-16(Sun) 23:19:58】
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東京バレエ団「オネーギン」 5月15日 東京文化会館
オネーギン:木村和夫
レンスキー:井上良太
ラーリナ夫人:矢島まい
タチヤーナ:斎藤友佳理
オリガ:高村順子
乳母:坂井直子
グレーミン公爵:平野玲

指揮:ジェームズ・タグル
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

大好きな木村和夫さんの、木村さんらしいオネーギンにうっとりと幸福感。一方タチヤーナには冷静。井上さんのレンスキーは大健闘、グレーミンの平野さんもとても良く、この両名はこの日の方が好み。
1階席前方にて鑑賞。3階席とは情報量が格段に違う。初日3階でオペラグラスを使いまくり、「オネーギン」は近くで見ないと辛いものがあると悟ったところ。

木立の向こうを歩いて木村さんのオネーギンが登場する、その顔はまだ見えず側面からの姿だけを見た瞬間にぶあっと自分の体温が上がったのがわかり、それほど期待していたのか、やはりこの人に胸ときめくのかと少々驚く。驚いた次の瞬間にはそれを受け入れ幸福感に浸った。ああ、始まる、木村さんをずっと見ていようと。
木村さんの、整ってはいるけれどおしょうゆ味で派手さがないお顔立ちは王子より普通の男が似合う。ヒラリオンを演じても優雅さを残してしまう舞台での立ち居振るまいはいつも美しい。オネーギンとしてはもう少し傲慢さとか鷹揚さがあってもいいと思うけれど、黒一色で決めた細身の身体はカラフルな田舎の人々に混じって十分都会的。レンスキーやラーリナ家のひとと挨拶を交わしているときは人の良ささえ垣間見えるぐらいだったけれど、タチヤーナと二人で歩むあたりから表情が冷たく心此処にあらずになる。

タチヤーナの読んでいる本のタイトルを確認し、クスリと笑う。あまり馬鹿にした感じはしない。腕を広げタチヤーナを抱き上げるのも優しい。まだあまり嫌なやつではないオネーギンだ。タチヤーナと共にいるのに遠くを見て憂愁にふける、その踊り。最初の硬さがすこし感じられるものの軸はぶれずに美しい。昨日の残像と比較して、そう、オネーギンはこう踊るのだったと納得する。昨日のあれは何だったのか。ひとりでどこかに行ってしまいそうな姿にタチヤーナの戸惑いも納得できる。

斎藤さんは顔を見た瞬間、顔世のようだと思った。化粧のせいか。少女の純粋さを演じるときのこの人はジゼルがそうであったように、すこしおつむが足りない感じに見えるのだけど、今日はそうでもない。オリガたちとは違う世界にいる現実味のない少女だというのはよくわかった。ただ、ニキヤのときにも感じた、すこし口をひらいて恍惚としたような表情がずっと張り付いているのが好きになれない。このオネーギンの憂愁に戸惑う場面、パ・ド・ブレで近づきつつ触れられないというところがあるけれど、パ・ド・ブレがちょっとがくがく。もう少し細かいといいのに。

寝室でひとりオネーギンを思い手紙をしたためる、乳母がやってきてもう寝なさいのやりとり。このあたり斎藤さんは細かく説得力がある。乳母が去った後、枕をぽんぽんと叩いて姿勢を変え眠りに就こうとするけれどやはりダメ、意を決して起き上がりまた机に行く。
鏡のPDDの木村さんは優しく甘く魅力的。まさに夢見がちな少女が夢想する理想の男性。そしてここでは優しいだけではなく、大人の世界につまりは男女の世界へもいざなってくれなければいけない。その要素はむしろ恍惚として身体をしならせてオネーギンに身を任せるタチヤーナから感じることが出来る。初日のスピード感のなさに慣れてしまったからなのか、木村さんと斎藤さんのコンビネーションの方がいいのか、この日はそこそこの疾走感。タチヤーナの高揚に誘われつつ、ああそうなのね、タチヤーナ、あなたは今そう感じているのね、と思う。これがあまり生々しくてもしんどくなってしまうのだけど、なんとかぎりぎり。
目覚めてあたりを何度も見回す斎藤さんに、夢のリアルさと現実を確認する様を見て納得。

タチヤーナの名の日の祝い、無礼に振舞うオネーギンは苛立ちに満ちている。ひとり卓でトランプに興じる様子からはそれが強く伝わり近寄り難い怖さすらあり、木村さんはまたそれが魅力的だったりする。タチヤーナと同じで私も目が離せない。自分の手紙はどう受け取られたのか気になって仕方なく、オネーギンの怖そうな様子も感じていながらそこにすら惹かれてしまうのでは。だから彼女は見つめるのを止められない。そして拒絶されることなど考えもしない少女の無邪気な傲慢さ。それゆえに周りが見えずに暴走するのを斎藤さんはそのままに表現した。自分の思いの強さが何者にもまさって、あつかましいぐらいにオネーギンに近づいて怒りを買ってしまう。ためらいを含みつつも暴走して破綻する、まっすぐな思いに殉ずる様はいらいらさせられるぐらいだった。そこを狙っているのだろうから成功しているといえる。踊りはちょっと重たかった。

凍りついた雰囲気の中皆が踊り始めるとき、木村オネーギンは「そうだ!」とあからさまにひらめいた顔をしてレンスキーをからかうことを決意する。ちょっとわかりやす過ぎ。それからは終始笑顔で強引にオリガにちょっかいを出す。本当に楽しそう。レンスキーからオリガを奪って踊りながらほとんど高笑い。なんて嫌なやつ、のはずが木村オネーギン可愛いなあと思ってしまうのはファンだからかもしれない。

井上さんのレンスキーと高村さんのオリガはほのぼのカップル。井上さんにはナルシスティックなところがなく、理想に燃える詩人というより人の良い田舎のまっすぐな青年ぐらいの感じ。でもそれが良かった。高村さんは可愛くちょっと気が強く我儘そうで、愛され崇められることに舞い上がっている深く考えない少女そのもの。とにかく可愛くて若者には魅力的な存在。第1幕の二人の哀切な旋律に乗せてのPDDでも、相思相愛で初々しい幸福感が良く出ていてその後の悲劇を知っているだけに泣きそうになる(これは初日もそうだった)。
そんな幸せな状態から友人に突き落とされて冗談だろうともかわせず、身の置き所なく惑いうろつきやがては怒りが爆発する、そんな若さのなせるどうしようもなさが伝わってきて井上さんはなかなか良かった。

レンスキーの決闘前のソロ、長瀬さんには期待を持って見てしまうのに井上さんには白紙状態なこともあってか、とても良かった。力みなくしなやかにのびやか。苦悩も“かわいそうな僕”ではなくて、どうしてこうなってしまったのだろう、もうどうしようもない、引き返すことは出来ない考えられもしない、といったまさに苦しみが伝わった。

タチヤーナとオリガの懇願、オネーギンが翻意をうながすのも決然と拒否、そこにはかなりの強さ。そして諦め受け入れて決意するオネーギンの3回転ぐらいピルエット3連発がまた美しかった。
決闘後、だまって立ちつつ見つめるだけなのに責めているのが強く伝わる斎藤さんのタチヤーナに曝されるオネーギンの無力さ。

第3幕、すこし髪に白いものを混ぜ、ヒゲを蓄えた木村さんのオネーギンはまた一段と魅力的で困る。
グレーミン公爵とタチヤーナのPDDでは斎藤さんの踊りがまたまた重たい感じ。平野さんの静かにおだやかに、でもとても妻を愛しているのが伝わるグレーミンがとても素敵。何がどこが、と指摘できないけれど存在感が違う。斎藤さんも愛される幸福な妻であるのを表現しているけれど、控えめというのかそれほどまっすぐには伝わってこなくて、オネーギンと引き合わされたときもはっきり動揺を表すので、このタチヤーナはオネーギンへの思いを捨てられないことを強く意識して生きているということかもしれない。
二人が踊るところを見つめる木村さんがとても良かった。あのタチヤーナであることに気づき、呆然と見つめる。彼女を愛していることを悟り、二人から身を隠すことすら忘れて立ち尽くし、彼女と遠く失ってしまったものへの憧憬をもこめた少年のようなまなざしをする瞬間があるのが素晴らしかった。恐れおののくというより、今の自分を、失ったものを犯した過ちを悟りつつタチヤーナに惹かれないではいられない、熱いまなざしを隠すことが出来ない。身勝手ではあるがそこですべてを曝してしまっているこの哀れな男に心動かされずにいられようか。

最後のPDD、オネーギンのアプローチはいろいろあるように思う。とにかく強引で「あなたも私を愛しているはずだ」というのから、どうしようもない止められない懇願など。木村さんは強引ではなかった。どうしようもなく狂おしく求めずにはいられないといった趣。成算がないのも予測していての捨て身での懇願。
斎藤さんはいろいろと考え作り込んだところが感じられたけれど、タチヤーナの葛藤に没入するには逆効果だったように思う。オネーギンにすがりつかれ、自らも身を任せたい気持ちに引きずられながら、思いを振り払うかのように何度も首を振る。それが度々だと作為を感じてしまう。繰り返し手紙を見るのも、そういう風に決まっているのかもしれないが、自然に受け取れなかった。
平たく言って彼女のタチヤーナには共感できなかった。やはりあの張り付いた表情が気になる。もうすこし変化が欲しいと思ってしまう。

ひとり残るタチヤーナで幕は閉じ、最初のカーテンコールはオネーギンと二人だけ。斎藤さんの肩をしかと強く抱き寄せふたり寄り添って頭を下げる木村さんの精根尽き果てた様子に胸を衝かれた。この人が今日の舞台で精一杯演じきったのがあまりにもストレートに伝わってきて、大きく頷く思いだったから。繰り返されるカーテンコールの中、だんだんと現実に戻り笑顔に、充実した表情になっていくのを見守るのは限りない喜び。二度目のカーテン前の二人での挨拶のときだったと思う、木村さんは斎藤さんの両手をとりささげ、口づけをした。以前にも確かアロンソ版「カルメン」のとき上野さんにそうしたのを見たことがある。三度目には斎藤さんを上手にもエスコートして挨拶した。まわりがスタンディング・オベージョンになっても私は頑固に立たなかったが、前に立つ人の隙間をぬって木村さんを見つめ続けた。愛してやまないダンサーが本人も納得の瞬間に立ち会っている、あたたかい幸福感に包まれながら。

2日続けて観て、どちらも主役二人の片方に納得できなかったので不完全燃焼が残る。次は吉岡さんのタチヤーナ、木村さんのオネーギンで観たい。


公演感想2010 | 【2010-05-16(Sun) 22:42:25】
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東京バレエ団「オネーギン」 5月14日 東京文化会館
オネーギン:高岸直樹
レンスキー:長瀬直義
ラーリナ夫人:矢島まい
タチヤーナ:吉岡美佳
オリガ:小出領子
乳母:坂井直子
グレーミン公爵:柄本武尊

指揮:ジェームズ・タグル
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

東京バレエ団初演の初日。3階席正面より鑑賞。
タイトルロール以外はなかなか良かったです。


吉岡さんのタチヤーナは透明感があり、物静かな文学少女。オネーギンに思いを馳せ手紙をしたためるところでは、物静かなだけではない情熱を秘めた少女であることが伝わる。オネーギンに愛を拒絶され、それでもあきらめきれない思いでオネーギンを伺うようにひとり舞うところでは、観客にまで苛立ちが感じられるほどに押し出してこない。ここは好みの別れるところではないかと思うけれど、私はその程度の方がほっとする。ここでオネーギンの苛立ちを感じられず、もしくは感じていてもそれを気にかけるより自分の思いの強さに行動をコントロールできない、周りが見えない少女になってしまうと身につまされてとても苦しくなる。その方がオネーギンが卓をばんと叩いて苛立ちを表現するのに納得できるのだろうけれど。
とても良かったのが第3幕のグレーミンとのPDD。にこやかでおだやかな夫との幸福な様子が大変よく伝わってきた。しとやかな人妻でいて透明感を失っていない魅力的な女性。武尊さんのグレーミンもなかなかはまり役。もう少し笑顔が控えめな方が好みではあるけれど。吉岡さんはオネーギンと引き合わされてもほとんど動揺を表に出さなかった。

さて納得がいかなかったのが高岸さんのオネーギン。まずタチヤーナがぽーっとなってしまうような魅力が感じられない。ステップの精度が低すぎる。目をぎょろりとさせた視線の演技で皮肉な人物であることはよくわかったけれど、最後のPDDでもオネーギンの気持ちに共感できなかった。
それでも最後のPDDでは吉岡さんの葛藤に大層見応えがあり、共感もし心を揺さぶられたので終わりよければ、となったのだが、鏡のPDDがいただけなかった。スピード感がない。これまでシュツットガルト・バレエの全幕や、ガラ公演でも鏡のPDDを観ている。オネーギンに抱き上げられタチヤーナが開脚した足をまわす、その描く弧が目に鮮やかなところがある。3回ほど繰り返されるがタチヤーナがふっとんでいきそうなほどのスピードでいつも驚いていた。でもそのスピードには理由があるのが今回よくわかった。そうでないとタチヤーナの高揚感が出ない。それ以外の部分もすこしサポートに余裕がないようで、それがわかってしまうとこちらは没頭するのを妨げられる。自由に表現するために十分なテクニックは不可欠なのだと改めて悟った次第。

レンスキーの長瀬さんは予想通りナルシスティック。なかなか良かったし観る者をぐっと引き込む力が彼にはある。決闘前のソロは独壇場。さすがに緊張や力みがあるのか、破綻のない十分な踊りではあったけれどもっと踊れるのではと思う。

小出さんのオリガも良かった。やっぱりこの人の踊りには最後にふうっとひと伸び広がりがあって綺麗。オネーギンにしつこく構われて調子に乗ってしまうあたりに嫌味がないのが好みでもあり、物足りなくもあり。嫌味なぐらいお馬鹿さんのお調子ぶりのほうが説得力があるのだろうけれど、タチヤーナにしろオリガにしろ女性らしい愚かしさを感じる場面が強調されない方が私は居心地がいい。情けない。

最後の拒絶がすこし弱いというか優しいかなと思ったけれど、吉岡さんのタチヤーナは繊細に様々な感情を表現し、踊りも軽やかでとても良かった。オネーギンが物足りなかったのがとても残念。

主要な役以外は2日間(14、15日)を通して。
群舞に目を移すと、第1幕のタチヤーナ、オリガと同年輩の若者たちには小柄組が起用されていた模様。男の子たちの先頭を切って楽しげに飛び込んでくるのが高橋竜太さんで、ファンである私はにこにこ。高橋竜太、松下裕次、氷室友、小笠原亮、宮本祐宜、中川リョウまではわかったけれど、あと二人ぐらいいた筈。男性が二人で組み、相手にサポートされてジュッテ・アントルラッセをする箇所があり、小笠原さんの高々とぴし!きりりと上がる脚が美しい。
男性にサポートされて女性がグラン・ジュッテしながら舞台をディアゴナルにクロスで行き来するところでは拍手が起こる。体格、脚の長さからいって迫力は足りないけれど、それなりに綺麗だった。

タチヤーナの名の日の祝い、第3幕グレーミン公爵家の舞踏会では群舞は高身長組。男性に身長がないとこなせない制服姿になるので当然。こうした場面の日本人男性ダンサーにはあまり期待していないので、こんなものではないかなという感じ。
タチヤーナの名の日の祝いでは高橋さんなど老け役になっていましたが、他の人も含めてやはりおさまりはイマイチ。

演奏は東京シティ・フィル。ここは管楽器奏者のミス率が高い印象があるけれど指揮者によって化けることもある。初日は予想通りミス多し。2日目はそれほど気にならず悪くなかった。オネーギンのバレエそのものを観ていない人にはわからないかもしれないが、オネーギンの音楽は本当に強い。ダンサーたちを見てなのか、音楽に引きずられているのか、どっちで自分の気持ちは動いているのだろうと思う瞬間が何度もあった。その音楽の世界をたっぷり味わえたのは演奏のおかげもあるのかもしれない。良かったと思う。

公演感想2010 | 【2010-05-16(Sun) 22:26:31】
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Trittico Novecento Francesco Ventriglia の Immemoria のヴィデオ
スカラ座オフィシャルのTrittico Novecento のページヴィデオがUPされました。

ザハロワにも振付作品を提供している、フランチェスコ・ヴェンティリーリア(スカラ座のコールド・ダンサー)がスカラ座のために新しく振付けた作品、Immemoria のリハーサル風景とヴェンティリーリア君が作品について語っているのをあわせて3分ほど。踊っているところが少ないのが残念。イタリア語ですから例によって(英語でもだけど)理解できませんが、ショスタコーヴィチの交響曲7番「レニングラード」を使っているのですね。

で、聴いてもどの楽章かはこれまたわからない。役立たずで失礼。長大なショスタコーヴィチの交響曲群にはなかなか手がつかないのでした。

Immemoriaとは?“覚えていない”ってことなのかなー。どこまで役立たずなんでしょ。
古着?Tシャツやなにか洋服のようなものを圧縮して積み上げたような大きく高い四角い柱状のものが舞台に2つぐらい見えました。顔は覚えがあるけど名前が特定できていないダンサーたち。パリ・オペラ座その他、劇場のダンサー達の中に振付の才能を発揮する人たちが増え、遂には自分の所属するバレエ団に作品を提供するというのは最近とても多い。スカラ座にもそういう才能を持つ人がいるのは頼もしいことです。どう受け入れられていくかはまだわかりませんけれど。

ヨーロッパの劇場のバレエ団の中で、レパートリー、衣装、装置、に置いてはそこそこの充実度かもしれないが、決してバレエで第一に取り上げられる訳ではなく、ダンサー達の力量も他の華々しい劇場に比べれば物足りない(エトワールは別として)、抜きん出て意欲的な取り組みをするのではなく、大御所追随のような印象があるスカラ座バレエ。ここはそれでいいのではないかなと思いつつ。
日本ではほとんど注目されていないだろうけど、通ううちに深く愛着を持つようになったダンサー達の活躍を、やっぱりこの目で観たいなあ。

スカラ座バレエ | 【2010-05-11(Tue) 21:40:25】
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イタリア クラシカのムッル ドキュメンタリー
以前紹介したイタリアのクラシカでのムッルのドキュメンタリー、
某動画サイトはほとんど彷徨わないのですがみつけてしまいました。

http://www.youtube.com/user/svjeta#p/u/7/gcGlF2NKeIo

なんと8分ぐらいのものが5本あります。
真冬のミラノの街を(おそらく2009年12月)ムッルがトラムに乗ったり、バールでタブロイド新聞を広げつつパンを食べコーヒーを飲む様子、更には愛犬GINO君を連れている姿まで見られます。通勤途中?それともお散歩?
ストレッチとバーの様子。「さすらう若者の歌」のリハーサル。最近の舞台の映像をかなりの種類すこしずつ。

さすらう若者の歌(ガブリエーレ・コッラードと 2009年12月)
ジゼル(エマヌエラ・モンタナーリと2009年11月)
ピンク・フロイド・バレエ(ソロ 2009年6月)
アルルの女(最後のソロ 2008年9月)
カルメン(ルシア・ラカッラと寝室のところ 2008年9月)
ロミオとジュリエット(エマヌエラ・モンタナーリとバルコニーのところ 2008年3月)

モノクロの写真でカルラ・フラッチとローラン・プティとの「シェリ」のリハーサルの様子も出てきます。
それからシルヴィ・ギエムとの「マルグリットとアルマン」、「マノン」の舞台モノクロ写真も。

ナレーションはないようで、淡々とムッルのモノローグが続きます。固有名詞ぐらいは拾えるけれどイタリア語ですからまったく歯が立ちません。
スカラ座バレエ学校に入ったいきさつ、フラッチ、プティ、ギエムのことは語っているのかな~と思いましたが。

さらに「さすらう若者の歌」に絡んで、ダニエル・ハーディングが映像つきでコメントを寄せています。2009年12月のSerata Bejart は彼が指揮でした。勿論ハーディングは英語でしゃべっていますが・・・私の英語力では1回聴いた位では理解不能(何回か聴いたらわかるかというとそんなこともない)。比較的聞き取りやすくシンプルだったようですが・・・

最後は終演後のスカラ座前広場を家路に就く(?)ムッル。広場のベンチに腰かけて煙草を一服。クリスマス前、街全体がイルミネーションに包まれ、スカラ座前広場ではスカラ座と市庁舎に照明があたっていたのでなかなか幻想的。でもバックにかかる音楽が哀愁を帯びていてなんだかさびしい。

舞台映像で観た事がなかったのはピンク・フロイド・バレエ。もの悲しい静かな曲にのせたこれまた内向的なモノローグに仕上がっていました。やはりムッルは美しい。理屈抜きにこの人の動きと身体の表情が好きなのだと再認識。多分同じ部分を牧阿佐美バレエ団の映像(昨年NHKで再放送されました)で見たと思うのですが、印象がずいぶん違う感じ。とてもムッルらしく、でもこれが大うけはしないのだろうなとも思い。

淡々とムッルは何を語っていたのか。
クラシカ・ジャパンで放送してくれないかな。視聴者に復帰もしたのでリクエストしないといけませんね。

MM | 【2010-05-08(Sat) 18:04:06】
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Ballet Imperial ムッルのパートナーはアリーナ・コジョカルに
お友達にもBallet.co に情報が出ているのを教えてもらっていましたが(いつもありがとう!)、スカラ座オフィシャルにも出ていました。

Trittico Novecento 公演ページ

バレエ・インペリアルをザハロワが怪我で降板し、代わりにマッシモ・ムッルのパートナーがアリーナ・コジョカルとなったようです。5月27日、6月5,7,8日がこの二人の出演日。

ちなみに5月20日にある、Trittico Novecento Preview for Young People(30歳以下の観客向けのスカラ座の試みらしい)にはムッルのみでコジョカルの名前はありません。ザハロワはこの5月20日も出演予定でしたが、この日はコジョカルの都合がつかないのでしょう。とすると誰がムッルと踊るのでしょうか?こちらも興味津々。スカラ座さん、キャストアップよろしくお願いしますよー。

コジョカルとムッル・・・相当な身長差ですね。コジョカルのバランシンも興味をそそります。彼女がどんな風にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を奏でるのか。二人が踊るのはひょっとして初めてかしら。バランシンの創った賛美されかしずかれる女性、女神としてザハロワとコジョカルではずいぶんと違った印象になるような気がします。好みの問題なので正直に白状しますが、かなり観たい。5月は元々GWがあるために営業日が少なく、月間スケジュールに縛られがちな身としてはとても休みにくいのです。だいたいGW後の同じ月に休むのも気が引けるし。

なんだかんだ言って名だたる世界のプリマと組む機会に恵まれているダンサーですね、ムッル。身長はあるし、サポートはうまいし、プリマをちゃんと立てるし、まあ本人のレヴェルも悪くないと。背が高い女性ダンサーにとっては貴重な存在ともいえる。ただご本人はクラシック全幕には今後ほとんど出る気がなさそう。プリマたちとの共演チャンスを生かして次に繋げているのか、その意欲があるのかどうか疑問なのがなんとも、ファンにはいつも気が揉める。最早言っても始まらない事なのですが、なかなかこちらは達観できません。

ザハロワは今年1月の新国立「白鳥の湖」も体調不良で降板していました。その後どのように踊っているのか、彼女のことまではフォローしていませんが、スケジュールが過密なのでしょうか?早い回復と良い状態での舞台への復帰を願っています。

スカラ座バレエ | 【2010-05-01(Sat) 19:26:14】
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