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Author:homia
homia(ほみ)
2004年春、山岸涼子の「テレプシコーラ」を読み
同年8月東京バレエ団40周年記念ガラからバレエに通い始める
2006年7月7日ブログ開始

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BRBあれこれ
バーミンガム・ロイヤル・バレエの日本公演も明日の1回を残すのみ。これまで17日のアシュトン・プロ、22日眠り、28日今日のアシュトン・プロと行きました。明日も行きます。
レッスンを週末に移したので、さらにバレエ鑑賞を入れてしまうと落ち着いて家に居られる時間が減ってしまい、手元はいろいろなことが滞っている状態。既にちゃんとした感想を書くのは諦めモード。少しだけメモしてみます。

まず今日の「真夏の夜の夢」佐久間奈緒&ツァオ・チー
最後のタイターニアとオベロンのPDDがとても素晴らしかった。17日の吉田&モラレスとは違った風景が見えました。それはパートナーを組んだ時間、合っているかどうかの違いの差かもしれない。かなりのスピードでスリリングにでも確実に、くるくるしゅたっ とすべてが心地よく決まっていく。それがまさにタイターニアとオベロンの関係を表していました。フレッシュなカップルではない、長い信頼関係があり、仲違いをしたあと二人はまた強く結びつく、というような。

17日のアシュトン・プロを観終わったとき、これをあと2回見ることにしちゃったんだなあ、と思ったのは「ダフニスとクロエ」にすこーし退屈するから。満載な踊りは楽しいけれど、そう続けて何度も観たいとは思わないのが正直なところ。
前にオーストラリア・バレエにいたマシュー・ローレンスが17日は「ダフニスとクロエ」でドルコンを、「真夏~」でデメトリアスを踊っていて、なかなか良かった。踊りも悪くないし、演技部分も熱血で楽しく。
28日のデメトリアス、ジェイミー・ボンドの方がおとなしめで踊りは綺麗。

「ダフニスとクロエ」で面白いな、と思うのはダフニスがリュカイオン(都会から来た人妻)に誘惑されて結局応えてしまうところ。我にかえった後はずっぷり落ち込むけれど、こういうところの男のリアリティは嫌いじゃない。ジェイミー・ボンド(17日)も良かったし、こういうちょっと浮気性な部分を演じさせたらピカイチな(前回来日のコッペリア、フランツ)イアン・マッケイはさらに真に迫ってました。

眠りを1回しか見られなかったのは本当に残念。今日、佐久間&ツァオ ペアをみて、やっぱりこの二人の眠りも観るべきだったと思いましたが、縁がなかったのですね。
眠りはライト版そのものも気に入ったし、タマラは万全、ひたすらうっとり幸せでした。この22日の嬉しい発見が、セリーヌ・ギッテンス。喜びの精を踊っていたのですが、17日の「ダフニス~」でとてもいいな、と思って名前がわからなかったのが彼女でした。

「ダフニス~」の冒頭の群舞でもひとり上をいく美しさ。音楽をよく感じ、それを表現しているのがわかります。肩を組みつつ並んでいるほかの女の子たちが無表情に思えてしまうほど。特に首から肩、上半身の動きが美しく、顔のつけ方も違和感がない。勿論長くほっそりした手脚も伸びやか。
ついつい彼女に目が行ってしまうのです。眠りでは喜びの精の他に、ガーランド・ワルツ、3幕でも群舞で踊っていて、もういいや、見たい子を見ようとずーっと追っていました。見る者を幸せにしてくれるダンス。

今回、この時期に予定通り来てくれて、チャリティ公演まで追加してくれたBRB。予定通りに来てくれた、ということがどれほど心に沁みたことでしょう。日本のバレエ ファンとのあたたかい関係の始まりかもしれない。こういうカンパニーを大切にしたい。ビントレーの作品など、観てみたいレパートリーはまだまだあります。そう時をおかずにまた来日して(招聘して)欲しい。その時にセリーヌ・ギッテンスが在籍していたらきっと階級が上がっているでしょう。現在はファースト・アーティスト。将来が楽しみなダンサーを舞台上で見つけられるなんて、ファン冥利につきます。

ちなみに彼女は2006年のローザンヌ・コンクールのファイナリストなのだそうです。
la dolce vita のnaomiさんに教えていただきました。当該記事はこちら

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公演感想2011 | 【2011-05-28(Sat) 22:48:06】
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シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011 公演概要発表
シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011公演概要決定!

公演概要が発表されました。

バレエ界の女王ギエムがいま、日本を愛と感動で満たす!
Aプロ〈愛の物語〉
─ Sylvie Guillem On Stage A < HISTOIRES D'AMOURS >


【公演日程】
10月22日(土) 3:00p.m.
10月23日(日) 3:00p.m. 
10月25日(火) 6:30p.m. 
10月26日(水) 6:30p.m. 

【プログラム&出演者】
フレデリック・アシュトン振付
「田園の出来事」
音楽:フレデリック・ショパン

出演:
ナターリヤ:シルヴィ・ギエム
ベリヤエフ:マッシモ・ムッル
ラキティン:後藤晴雄
ヴェラ:小出領子
コーリャ:松下裕次
カーチャ:奈良春夏
マトヴェイ:永田雄大

ケネス・マクミラン振付
「マノン」よりパ・ド・ドゥ

音楽:ジュール・マスネ

出演:シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル

セルジュ・リファール振付
「白の組曲」

音楽:エドゥアール・ラロ

出演:
テーム・ヴァリエ:奈良春夏/田中裕子、木村和夫、後藤晴雄/柄本弾
セレナード/フルート:小出領子/西村真由美
プレスト:佐伯知香/岸本夏未
シガレット:吉岡美佳/田中結子
マズルカ:木村和夫/後藤晴雄
アダージュ:上野水香、柄本弾

他、1演目を予定

【指揮】ベンジャミン・ポープ 

【演奏】東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


バレエ界の女王ギエムがいま、希望を掲げて日本で舞う!
Bプロ 〈エック/フォーサイス/キリアン〉
─ Sylvie Guillem On Stage B 〈Ek/Forsythe/Klián〉


【公演日程】
10月29日(土) 3:00p.m.
10月30日(日) 3:00p.m. 

【プログラム&出演】
マッツ・エック振付
「アジュー」

音楽:ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第32番作品111アリエッタ

出演:シルヴィ・ギエム

ウィリアム・フォーサイス新作パ・ド・ドゥ

出演:シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル

モーリス・ベジャール振付
「春の祭典」

音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

出演:東京バレエ団(配役未定) 

イリ・キリアン振付
「パーフェクト・コンセプション」

音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ、ジョン・ケージ、レスリー・スタック

出演:
井脇幸江/田中結子、吉岡美佳/川島麻実子
高橋竜太/松下裕次、長瀬直義/宮本祐宜

※演奏はすべて特別録音によるテープを使用します。
★ works from "6000 miles away," a Sadler's Wells / Sylvie Guillem Produciton

【会場】東京文化会館【入場料(税込)】
S=¥18,000 A=¥16,000 B=¥14,000 C=¥10,000 D=¥8,000 E=¥6,000
※未就学児童のご入場はお断りします。

【前売開始日:】7月2日(土)10:00a.m.より

【NBS WEBチケット先行抽選予約】6/14(火)10:00~6/24(金)18:00

【全国公演】
11/3(木・祝)愛知県芸術劇場 TEL:052-241-8118
11/5(土)兵庫県立芸術文化センター TEL:0798-68-0255
11/9(水)倉敷市民会館 TEL:086-225-7300
11/11(金)広島市文化交流会館 TEL:082-253-1010
11/13(日)福岡サンパレス TEL:092-852-6606

また、

今回の「シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011」は、東日本大震災の悲報に接したシルヴィ・ギエムの強い意向のもと、全国各地の主催者の理解を得て、「HOPE JAPAN TOUR」と銘打ち、オリジナル・チャリティ・グッズの販売等を通した義援金の募金活動を行うことが決定いたしました。
東京ではツアーに先駆け、別途チャリティ・ガラを開催する予定です。ガラ公演では、ギエム自身の出演料を含め、収益の多くを義援金として被災地に届けます。現在参加アーティスト・演目の調整を行っており、詳細は追って発表いたします。


とのこと。チャリティ・ガラのメンバー、内容も楽しみです。

ギエムのメッセージも。

HOPE JAPAN、それは私自身の意思なのです

3月11日以降の日本の状況を考えて、この東京と全国での公演では何か通常のシルヴィ・ギエムツアー以上のことが何かできるのではないかと思いました。
日本は大変困難な時に直面しています。私はあなた方の国を何度も訪れ、本当にたくさんの場所で踊りました。そして日本の人々とNBSに、こんなに長い間私が与えられてきたものの、一部をお返ししたいのです。私は日本と、日本の人々を本当に長い間愛してきましたし、今や私自身を少し日本人の一員のように感じており、この恐ろしい出来事に大変心を痛め、悲しんでいます。人間としてしなくてはいけない、という義務感を超えて、これは私の個人的な意思なのです。

シルヴィ・ギエム


ギエム本当に日本を愛していて、その思いを行動に移してくれている。胸が熱くなります。

「田園の出来事」をギエムとムッルで再び観られる日が来るとは!
昨日いつか日本にも持ってきてくれるといいな、などと言っていたフォーサイスの新作、すぐに日本でもやってくれるのですね。とても嬉しい。ムッルにとっても新しい作品です。
今のところムッルひとりでギエムの相手を務めるように読めますが、このあたりは今後変わるのかもしれません。全国公演の内容も気になるところ。

気になるといえばムッル、10月25日、27日とスカラ座で「ライモンダ」のはず。Aプロと重なります。東京とミラノのどちらにいるつもりなのでしょう?スカラ座のオフィシャルでは予定はそのままです。

バレエあれこれ | 【2011-05-26(Thu) 22:52:20】
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スカラ座バレエ新制作「ライモンダ」(2011年10月-11月)にフリーデマン・フォーゲル
ミラノ・スカラ座バレエ 「ライモンダ」

いつ公表されたのか不明ですが、10月11日に初日を迎える新制作の「ライモンダ」、ゲストに変更が出ています。

ギョーム・コテ → フリーデマン・フォーゲル

です。10月11、14、25、27(夜) の出演で、オレシア・ノーヴィコワとマッシモ・ムッルが同日に出演することは変わりません。ジャン・ド・ブリエンヌはコテからフォーゲルにとはっきり書いてあるので、これまで公式に出ていなかったと思いますが、これでムッルのアブデラは確定。
コテの降板は個人的な理由によるものとか。

ライモンダ:ノヴィコワ
ジャン・ド・ブリエンヌ:フォーゲル
アブデラ:ムッル

ですかー。アブデラだけ老けてるかも・・・フォーゲルとコテの実年齢はそう変わらないと思いますけれど大人っぽいのはコテの方。
ヴィハレフの設定はどんなアブデラになるのか、それをムッルはどう演じるのか。
露出時間だけは長めにお願いしますね(笑)

さてギエムの秋の日本ツアーの詳細が待たれますが(4,5日前に届いたルグリ公演の予約確認ハガキに同封されていたところによると近日中に案内を送るとか)、10月から11月というギエムツアー、10月にスカラ座で踊る予定がこのようにあるので、ムッルが来るのは無理かなー(ライモンダのインターバルは10日ありますけれど)。

スカラ座バレエ | 【2011-05-26(Thu) 00:01:45】
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Sadler's Wells Theatre Sylvie Guillem - 6000miles away
http://www.sadlerswells.com/show/Sylvie-Guillem-6000-miles-away?sms_ss=facebook&at_xt=4ddd0bfeab20c3b8%2C0#title

シルヴィ・ギエムのサドラーズ・ウェルズ劇場での新プログラム、9月の公演にマッシモ・ムッルが出演予定です。

マッツ・エックのソロ(ギエム)
ウィリアム・フォーサイスの新作デュエット(ギエム&ムッル)
イリ・キリアンの27’52”(デュエット、キリアンが選んだダンサーが踊る)

この公演は7月がプレミエですが、そちらのフォーサイス新作の相手はニコラ・ル・リッシュです。

そのうち日本にも持ってきてくれるといいのですが。ニコラとマッシモ。シルヴィの忠実なるパートナーたち。
7月のチケットを入手できなかった当地のギエム ファン、9月のパートナーがマッシモで落胆しているかもしれませんねぇ。

MM | 【2011-05-25(Wed) 23:20:13】
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ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち 公演延期
NBSのお知らせ

8月13日より、ゆうぽうとホールで公演を予定しておりました<ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち>は、東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故の影響を危惧した、ニコラ・ル・リッシュの判断により、8月の来日を中止し、公演を延期することとなりました。

仕方ないですね。
新しい来日中止の報に触れるたび半日ぐらいはどんよりしてしまうのは、来ないことを非難したいのではなくて、本当に日本は今そういう国、場所なんだなあと思い知らされるから。

その新しい知らせは大概、では上演されるものに、来てくれた団体に、と財布を開かせることになるのですが、今回はそれもかなわない状況。
バーミンガム・ロイヤル・バレエの公演にはあと3回ばかり行きますが、アシュトン・プロの両キャストと眠りのタマラ&マッケイ。自分の日程を決めたときから、ツァオ・チーの王子が見たくて観たくて、ずーっとうずうずしているのですが、いろいろとスケジュールの都合もありやはり無理。あのゴージャスそうな眠りをもう1回観ておきたかった。


日経の夕刊に震災後のPTSDのことがチラッと出ていましたが、我が家の昭和ヒトケタ殿、未だに地震の時のことが繰り返し思い出されるらしい。だいぶ戻ってくれたかな、大丈夫かなと思っていましたが迂闊でした。

復興も、原発事故の行方も、電力の今後も、家族をケアすることも、舞台芸術を支えることも。
かなしくなっても朝には起きて、歩き出したいと思う。
ちょこちょこ弱音を吐きつつも。

バレエあれこれ | 【2011-05-19(Thu) 23:08:15】
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BRB チャリティ公演
様々な来日キャンセルが続き、自分はチケット買っていなくても気持ちが沈んで仕方ありませんでした。責めることも出来ないし、ただ無力感。そして忘れていました。来てくれる人たちを迎えることが出来るのを。昨晩決断し今宵は少し散財。S席とカンパニーブック、写真。少ないけど義援金も。
まず開演前に芸術監督ビントリーの挨拶がありました。最初は少し日本語、あとは通訳付。内容はこれ迄に語られたこととほぼ同じ。チャリティグッズと義援金にダンサーが立つことも。
終演時にも挨拶あり。エルムハーストバレエ学校の生徒たちが折ってくれた千羽鶴がNBSの高橋事務長に贈呈されました。来日公演に生徒も参加しているそうです。その彼らから。ひとりは多分日本人の男の子。それを受けて高橋氏、来日キャンセルが続くなか、勇気をもって来てくれたカンパニーに感謝の言葉、場内拍手が続き。
手を叩くことしか出来ないのがもどかしい。来てくれて本当にありがとう!!
演目の感想は後程。

公演感想2011 | 【2011-05-17(Tue) 22:22:57】
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スカラ座バレエ「ジュエルズ」映像と写真
12日に初日を迎えたスカラ座バレエの「ジュエルズ」、早速オフィシャルに映像と写真が上がっています。
まあ仕事が早いこと!あと10公演ぐらいありますものね。
Gala des Étoiles の写真UPはないものと諦めました。

映像は舞台での衣装なしリハーサルと衣装付きリハーサルのものを同じシーンで続けてあったりしておもしろいです。スカラ座のプロダクションの衣装も例のカリンスカのクラシカルなもので、やはり豪華。これがスカラ座の舞台に載って躍動するのを見たらうっとりでしょう。テクニカルにツッコミどころが満載だとしても。スカラ座バレエはパリ・オペラ座でもマリインスキーでもないですからね。

写真の方では先日のガラで薔薇の精を踊っていたコビエッロ君のエメラルドの写真も。早速おひとり様扱いのジュッテの瞬間。プッシュされてます。
ルビーズはサラファーノフとヴァッサーロ。他にマルタ・ロマーニャ。
やっぱりヴァッサーロちゃんは好きになれない。マルタの方が写真でも余程素敵です。
ダイヤモンドはソーモワとコテ。案外ソーモワの写真はエレガントです。リハーサル映像の方はソーモワではないみたいなので(多分ポディーニとコッラード)、動いた感じがどうなのかはわかりませんけれど。

「ジュエルズ」のフルサイズははルビーズとダイヤモンドをマリインスキーの来日で見たきりなので、いつかゴージャスなところで3つとも観てみたいものです。


バーミンガム・ロイヤル・バレエは来日してくれて、無事公演も始まったようではあるけれど、他の招聘元のサイトを見ていると来日アーティストのキャンセルは後を絶たないようです。その決断は当然で非難などしないけれど、やはり気分は沈みます。積極的にメジャーなメディア以外の情報を収集するのを怠っていても事態の深刻さ、先行きの不透明さはわかる。
もう誰も来てくれなくても仕方ない。そんな状態の国になってしまった。そして何ができるのだろう自分に。
ミラノでがんばれと胸の前に差し出されたこぶし。だから泣いてうずくまる子どもにはならないんだと言いきかせる。相手はそれほど重いものをこめたつもりはないだろうけれど。

スカラ座バレエ | 【2011-05-14(Sat) 22:53:14】
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スカラ座様 Gala des Étoiles の写真はないの?
大抵の演目は上演後数日経つと写真をサイトに上げてくれるのですが、もう上げたって公演がある訳じゃなし、チケットを売るというニーズもなし。ということでGala des Étoilesのステージ写真は出してくれないのでしょうか。
記録のために、いやアーカイブには収めてくれるのかもしれないが(未確認)、お願いしますよー。

多少写真が出ているイタリアサイトをいくつか上げておきます。

まんべんなく各演目1つぐらいずつあり。
http://www.teatrimilano.it/671-galadesétoiles-teatroallascala.htm

「さすらう若者の歌」のボッレとムッルのまあまあなカットあり。
http://www.teatro.org/spettacoli/dettaglio_spettacolo.asp?contrRecensione=OK&id_spettacolo=17371

多分個人のブログ。多少荒いですがカーテンコールの写真があります。
http://thefivesenses-roby.blogspot.com/2011/04/gala-des-etoiles.html#more

で、スカラ座の次のバレエは『ジュエルズ』、12日が初日です。もうキャスト詳細も出ていますが、なんと「ルビーズ」であのヴァッサーロちゃんのお相手をサラファーノフが務めるらしい。
サイトトップのフラッシュ、『ジュエルズ』がもう出ていますが、BackStageの↑をクリックすると写真がいくつか出てくる中に、まさに二人のリハーサルカットが。
サラファーノフ、サポート負荷が高そう。彼なら難なくこなすのでしょうけれど。

スカラ座での『ジュエルズ』の後はそれを持ってパルマとポーランドにツアー、それから夏休みがあり次は10月の『ライモンダ』で2010-2011シーズンは終わりですね。

スカラ座バレエ | 【2011-05-08(Sun) 23:36:11】
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ミラノ・スカラ座バレエ Gala des Étoiles 4月27日、29日 その他の演目編
Antonella Albano - Claudio Coviello
Le Spectre de la rose

Coreografia:Michail Fokin
Musica:Carl Maria von Weber

薔薇の精を踊ったコビエッロは1991年生まれ、なんとまだ19歳かもしれない。ローマ・オペラ座バレエ学校で主に学び、スカラ座に入ったのは2010年。パンフレットのイタリア語によるプロフィールから固有名詞を拾うと他にもどうやら受賞歴やらなんやらあるようだが、とりあえずテクニックに優れ将来を嘱望されているスカラ座の新進コールドのようである。
確かに良く跳び回り、伸びやかに踊っていた。特に腕の表現がなまめかしく、薔薇の精のあの両腕を頭上にあわせてひねるようなポーズにたじっとなる色気あり。
勿論若さゆえの経験不足か、細かいコントロールと帳尻あわせは今一歩。音楽性ももうひとつ。ただしひとつひとつのポーズなどはなかなか美しい。

少女のアントネッラ・アルバーノはソリスト。プロフィールによればバーリ生まれ、主にスカラ座バレエ学校に学び、モンテカルロのプリンセス・グレース・アカデミーでも学んでいるらしい。スカラ座には2000年入団。
「白鳥の湖」、ヌレエフ版の「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」、バランシン「真夏の夜の夢」、マクミラン「マノン」「ロミオとジュリエット」、「ジゼル」にも主演している。
私が彼女をマークできたのは2007年10月の「ル・パルク」、映像ではビゴンゼッティ「メディテラーネア」でもPDDを踊っている。小柄ながらとても切れのいい踊りをする人で、けっこう気に入っている。
少女としては申し分なかったけれど、これは薔薇の精を観る作品と言っていいので、彼女の良さは他の作品で観たかった。

Alessandra Vassallo - Federico Fresi
Diana e Atteone

Coreografia:Agrippina Vaganova
Musica:Cesare Pugni - adattamento di Riccardo Drigo

ディアナのヴァッサーロは最近相当抜擢されている若手コールド。入団は2008年。2009年11月の「ジゼル」のときミルタを踊っていて識別するようになった。最近では「マノン」でレスコーの愛人をかなりの回数踊っているらしいが見ていない。ミルタを見た限りではその抜擢を納得できなかったが、今回も納得させてくれなかった。容姿は悪くないが、踊りが雑で安定しない。勢いで踊っているように見受けられるところがあって、ポーズからポーズへの移動に不安が残る。はっきり言ってこのガラで踊るには役不足。噂によればワジーエフのお気に入りということらしい。

アクタイオンのフレーシは今回ようやく識別。すこし小柄かもしれないがまあよく跳び回った。跳躍は小気味よく綺麗。ファイヴィフォーティもやっていたし、トゥール・アン・レールの2連発とかもなかなか。スカラ座のコールド(入団2008年、しかし彼はENBなどで踊ってきたらしい)にもこのぐらいのテクニックを持つ男子がいるということか、とちょっと微笑ましく。グラグラなヴァッサーロちゃんをよく支えていた。

しかしこの「ディアナとアクタイオン」、何度かいろいろなキャストで観ているけれど、ああ良かった!と思ったことが一度もない作品。どちらかがよければどちらかが物足りないのがほとんど。作品として面白いとおも思えない。ワガノワ先生ごめんなさい。

Gilda Gelati - Eris Nezha
L’histoire de Manon
Pas de deux - Seconda scena, Atto I

Coreografia:Kenneth MacMillan
Musica:Jules Massenet

1日目は音楽とのタイミングがうまく合わせられないようですこしハラハラ。2日目には改善していたが、総じてもっとレベルアップして欲しいなという出来。
ジェラーティは一応スカラ座のプリンシパル。でも全然マノンに見えなかった。
ネッザはアルバニアの人でスカラ座バレエ学校を経て2002年に入団。1月の「マノン」ではデ・グリュを踊っている。2010年11月の「オネーギン」ではムッルのときにレンスキーを、2009年12月『Serata Bejart』では「火の鳥」フェニックス、2008年9月の『Serata Petit』では「アルルの女」フレデリを観ている。彼は演技がなかなかうまく、身長もあり体型は見栄えがするが、踊りの精確さにかなり物足りなさが残る。

Friedemann Vogel
Mopey

Coreografia:Marco Goecke
Musica:Carl Philipp Emanuel Bach

日本で一度観ている作品。特に好きでも嫌いでもないけれど、何度も観ると少々飽きる。フォーゲルはやっぱりしなやかで綺麗だなとはっとする瞬間が幾度かあり。日本ではくすくす笑いも出ていたように記憶している、ちょっとユニークな動きが出てくるが、スカラ座の観客は神妙に静かに観ていた。受けてないのかしら?と思っていたらカーテンコールでは大喝采。

Agnès Letestu - Hervé Moreau
Cenerentola
Pas de deux - Atto II

Coreografia:Rudolf Nureyev
Musica:Sergej Prokof’ev

第2幕の回転する丸椅子を使ったアダジオ。ルテステュにはやはりモローぐらいの身長のパートナーの方がバランスがいいと痛感。
きらきらと大人っぽく美しいルテステュ。すこし顔がふっくらしたかとも思ったが、ほんの少し動くだけで美しいモロー。あの長い手脚がゆったりと大きな弧を描くのは気持ちがいい。プロコフィエフの音楽に乗ってまさにうっとりするひとときだった。
ただしアダジオだけで短く、跳んだり回ったりのハデさもないせいかスカラ座の観客の受けは今ひとつだったようで残念。モローが舞台に立つのは久々だということを認識している人の比率が極めて低そうなのがスカラ座という場所である。

Mick Zeni - Antonino Sutera
Proust, ou les intermittences du coeur
"Le combat des anges" Pas de deux Morel et Saint-Loup, Scena XII, Atto II

Coreografia:Roland Petit
Musica:Gabriel Fauré
Élégie Op. 24 per violoncello e orchestra

ゼーニ、ステーラともにプリンシパルであり、どちらも割りと好きなのだが、今ひとつぴんとこなかった。この作品には思い入れがありすぎるといえばそうだが、ギョーム・コテとデイヴィッド・ホールバーグの組合せを見たときには心を動かされている。勝手に求めている方向性と違うとでもいうのか。危うさが感じられず、切迫感がない。あっさり振り付けが通り過ぎていくような感じであった。

Olesia Novikova - Leonid Sarafanov
Čajkovskij Pas de deux

Coreografia:George Balanchine
Musica:Pëtr Il'ič Čajkovskij

なんというかそれまでのエトワールを除くスカラ座ダンサーたちの舞台とクオリティの違いが歴然。好みのチャイコフスキー・パ・ド・ドゥだったかと言われるとそうでもないけれど、ふたりとも軽やかできちんと踊っているのが心地よかった。もっと若い頃のキレキレ感は影を潜めているが、やはりクリアで重力を感じさせないサラファーノフの跳躍。やわらかく伸びていくマネージュ。そして妻と踊って妙に嬉しそうに見えるのは気のせいか。
ノヴィコワも音楽の合わせ方は好きではないけど、コントロール自在に溌剌として良かった。

Marta Romagna – Gabriele Corrado
L’altro Casanova
Pas de deux

Coreografia:Gianluca Schiavoni
Musica:Antonio Vivaldi
dal Concerto in Si bem. magg. per violino discordato,due orchestre di archi e basso continuo, RV 583 (Andante)

3月に世界初演されたばかりのスカラ座の新作より。ファーストキャストではポリーナ・セミオノワだったカサノヴァをマルタ・ロマーニャが。エロスは同じくファーストキャストのコラード。この組合せは本公演ではなかった模様。
ビゴンゼッティの「カラヴァッジョ」を髣髴とさせる雰囲気。音楽も衣装も。薄暗い照明の中、ロマーニャの長い手脚が大きく動くのはなかなか見ものだったし、コラードも悪くなかったけれど、作品世界がどうもよくわからないのでなんとも言いようがない。最後、カサノヴァはエロスに拒絶されるようである。


Hélène Bouchet - Roberto Bolle
Orpheus
Pas de deux

Coreografia:John Neumeier
Musica:Igor’ Stravinskij
da Orpheus (Pas d’action - Pas de deux)

ボッレのためにノイマイヤーが振付けた作品なのに、当のボッレが故障のためまだ舞台で踊れていなかったもの。エレーヌ・ブシェがかけつけ、ここスカラ座でPDDのみだがようやく実現した。
エウリディチェのブシェが舞台真ん中に背中を向けてたたずみ、オルフェオのボッレが登場してすぐに黒いサングラスのようなものをかける。つまり冥界に妻を迎えに来た場面ということか。求め、信じたく、おたがいに確かめようとする二人の様がもどかしく続き、最後にやはりオルフェオは黒いサングラスをはずしてエウリディチェを見てしまう。力なくゆっくりと横たわっていくエウリディチェ。顔を覆うオルフェオ、だったか。

二人がお互いを信じたく確かめようとする部分がノイマイヤーらしく細やかに胸に響いてくる。
ボッレはかなり人間臭く感じた。神々しいギリシャ彫刻ではなくて。ブシェはため息が出そうに切々と胸を打つ。動きはいつみても美しく気持ちよい。無駄な筋肉がついていない細い脚。完璧なアン・ドゥオール。
彼女を観ていて、ああやっぱりハンブルクに行かなければという気分がまた頭をもたげる。
これはやっぱり全幕で観たい。

ムッルだけで満足してしまったが、ガラ公演としてどうなのかと言われると残念ながら玉石混淆である。ゲストたちもそうだが、スカラ座のエトワール二人はやはり別格なのだと実感した。

スカラ座でバレエを観る楽しみの一つに音楽がある。今回の指揮は1月の「マノン」に続きデヴィッド・コールマン。バレエ指揮者として定評のある方らしいが、実は私はちょっと合わない。
「薔薇の精」「モレルとサン=ルー」とチェロのソロが大活躍の曲が多かった今回、首席奏者はSandoro Laffranchini さん。あたたかく落ち着いた揺るぎのない音色がとても良かった。スカラ座のオーケストラの演奏会なんかも行ってみたいと思った次第。

公演感想2011 | 【2011-05-06(Fri) 00:04:41】
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ミラノ・スカラ座バレエ Gala des Étoiles 4月27日、29日 ムッルの演目編
Roberto Bolle - Massimo Murru
Chant du compagnon errant

Coreografia:Maurice Béjart
Musica:Gustav Mahler
Lieder eines fahrenden Gesellen
Baritono:Christopher Maltman

ようやくボッレとムッルの「さすらう若者の歌」が実現した。当初は2009年12月、2009-2010シーズンのバレエ・オープニング「Serata Bejart」で実現するはずだったが、ボッレの故障によりその時の相手はガブリエーレ・コッラード。その公演も観ているが感想は残していない。ムッルが青のレオタード、ボッレが赤のレオタード。二人の男は向き合い、対話し、共に歩み戯れ、やがて対立し、青の男は赤の男に飲み込まれるように闇に連れ去られる。二人は別人か、赤の男は分身か。二人のダンス、表現における力量の拮抗が欠かせない作品だが、主となるのは青の男である。
2009年のコッラードとの共演のときはムッルの内面の表現が際立ちそれは素晴らしかったが、対する赤の男の存在に弱さを感じた。ボッレという対等以上のパートナーを得て作品の世界はバランスよく提示され、ムッルの表現は更に深まったと感じた。

どこか頼りなく何か、おそらく希望や生きる意味や幸せを求めてさまよう青の男。両腕を前に差し伸べ、片足も前に出してプリエをし、次に鳥が羽ばたくように開いてから2番の深いプリエ、片腕は肩にうつむく。この冒頭の動きは何度も繰り返し出てくる。その前に差し伸べられる腕に静かな希求を感じ、はばたきの優雅さに魅せられ、深いプリエの沈痛な表情が胸を刺す。後ろに、傍らにいる赤の男を常に感じながら、一筋の光を手にした気になり、穏やかな表情を表向きは見せていながら心は許していない赤の男と共に楽しげに歩み、生きることの歓喜を投げキスで放つ。青の男は赤の男の隠しているものにその時は気づかずに、心の底から嬉しそうな表情をしている。それが幻であったことにすぐ気がつくけれど。確信を持ってひたと追ってくる赤の男。違うだろう、そこには何もないんだ。抗う青の男。二人の対立。勝利を収めるのは赤の男。輝きを取り戻そうと心のうちを探し再び投げキスを放つ青の男の哀れさ。最後は弱々しく赤の男に手を引かれて暗闇に消えていく。

そのひとつひとつの内面の移り変わりをムッルは全身の表情で余すことなく表現しきった。追いつめられる、受け身の側がこの人にはどうしても嵌る。そして追いつめるのは生けるギリシャ彫刻のボッレ。ボッレの表現は抑え目で、それがかえって不気味にしのびよる強さを感じさせてとても良かった。ムッルを偏愛する自虐的ファンとしては、若干衰えも感じさせる彼のテクニックとボッレの正統的で美しいテクニックが対比されたらどうなるだろうと心配していたが杞憂に終わった。それは勿論好みの分かれるところだろうが、ムッルのアラベスクもピルエットもシンプルなプリエですら、彼は彼の美しさを保って引けを取らなかった。見劣りなどしなかったのだ。求め追いつめられ抗う者の、見る者の胸を打つ身体がそこにあった。ボッレと比べれは細く薄い上半身、バランスとして長すぎる腕と脚。いつだってそこにどうしようもなく惹き付けられてしまう。

男性二人によって演じられるこのすこし特別な作品に、この二人の組合せと今のタイミングは時宜を得たものといえるし、二人は心に触れる世界を見せてくれた。再びのチャンスをGala des Étoilesという最良の機会に用意してくれたスカラ座には拍手を送りたい。その場に居合わせることが出来た幸運には感謝を。


Emanuela Montanari - Massimo Murru
Onegin
Pas de deux - Atto III

Coreografia:John Cranko
Musica:Pëtr Il'ič Čajkovskij

モンタナーリのタチヤーナ、ムッルのオネーギンで2010年11月に全幕公演が2回あり、両方観ている。この上なく素晴らしい、というところまで行ってはいなかったがとても良かったし、元々好きなこの二人、それぞれに役に嵌っており今後も観てみたいと思っていた。
Gala des Étoilesにムッルの出演が決まった時に行くことを決めたが、チケット売り出しの時点ではギエムの名前もあり、それが数日で消えたときは落胆した。演目の詳細が出て、「さすらう若者の歌」と「オネーギン」、それも最後のPDDなら何の不足があろうかと、「オネーギン」はボッレが踊るような気がしていたので、ムッルのオネーギンが再び観られるならもう何もかもどうでもいいとすら思っていた。

全幕の物語のうねりのなかで観るのと違い、PDDだけを抜き出して観るときはすこし冷静である。
手紙を手におののき、グレーミンとのやり取りはなしにひとりオネーギンを迎える決意を固めなければならないタチヤーナ。紗幕の向こうでは苦悩と逡巡のなかのオネーギン。モンタナーリは確信を与えてくれる強さにすこし欠け、迷いが感じられたけれどそれはタチヤーナの迷いなのか。駆け込んでくるオネーギンの駆け込み方にも切実さが足りないが、二人のやりとりが始まるとすべては吹き飛んで、世界に引き込まれる。
それでもすこしは落ち着いてひとつひとつの動きを追う。その時はここでこうやって求め、揺れ、拒絶し、求め、苦悩し、逃げ、求め、手を取ってしまうのか、とすこし引き加減に確認しつつ、引きずりこまれつしていたものが、やはり細かく振付を記憶しているわけではないので、ひとつひとつ納得したとしか言えない。もどかしい。
PDDだけではあったが、ムッルの全身投げ出しっぷりには更に磨きがかかっていた。あのデ・グリュの後だけある、とでも言いたくなる。全身で悲痛な叫びを絞り出しつつタチヤーナを求める。彼の目にはタチヤーナしか映らない。タチヤーナのどんな変化も見逃さない。隙あらばここから連れ出そうと油断のかけらも見せない。強引さと狂おしい愛情がせめぎあう。私ならタチヤーナにはなれない。不幸が待っているかもしれないとわかっていてもこの瞬間の愛するオネーギンの求めに身を任せないでいることなど出来ない気がする。それほどムッルのオネーギンは心かき乱してくれた。それに対しモンタナーリはすこし弱かったかな、という気がしないでもない。

「オネーギン」というこの特別な作品には過去の名演、名カップル、こうあるべき、こうでなければというものがあまた存在する。ムッル以外のオネーギンをこれからも観るだろうが、すぐにまた観たいのはムッルの全幕である。
スカラ座の2011-2012シーズンには「オネーギン」が再び掛かるのに、ムッルにはチャンスがないというのはどうやら本当らしい。どうか今ひとたび、彼にチャンスが訪れることを切に願う。

全幕ではなく演目はたったふたつ、それを2回だけだったが満足感は大きかった。ムッルは充実していた。「オネーギン」ではほとんど踊らないが、「さすらう若者の歌」では再び、彼の動きそのものにも魅了された。やはり彼は美しい。あの正統的でないアンバランスな身体の表情が好きなのだ。全幕よりこのような形の方が彼には余裕が出るのかもしれない。勿論全幕の方が観たいけれど。また今回他のスカラ座ダンサーの演目を観て、エトワールはエトワールであることを痛感した。

ボッレとムッルが同じ作品の中で、それも対峙して踊るのを見たのは初めてだった。「さすらう若者の歌」でこの二人の組合せにおいて役柄の逆転は不可能だろう。スカラ座が誇る二人の男性エトワールは余りにも違う個性を持っている。ボッレが太陽ならムッルは月。舞台の上でも舞台の外でも何もかもが違う二人。ボッレがイタリアの国民的スターであり、その社会的立場と影響力も考えた行動をとり、ユニセフの親善大使まで務めているのに対し、ムッルはメディアに出るのを嫌い引きこもる。自分が何を考えているか、これからどうして行きたいかをきちんと発信し、先の仕事を自ら切り開いていくように見えるボッレに対し、ムッルは何も語らず、スカラ座の舞台とわずかな他の仕事を座して待っているように見える。

それはファンとして当然歯がゆい。日本の主要な招聘元に重用されるダンサーたちのように、芸術性と人間性に優れ、オープンで、後進を育てることにも公演を組織することにも、劇場を監督し、はたまた創作することにも才能を発揮できる、全方向に秀でた人間であることが一流の証である、というような価値観にどうしても侵食されている。
それを否定するつもりはない。でも一流でなくてもいいではないか。マッシモ・ムッルは世界にたった一人しかいない。そのたった一人からしか受け取れない時間がある。もう十分に幸せなのだから、彼の行くところにただついて行こう、行けるところまで。人の心は移ろいやすいものだけれど。

公演感想2011 | 【2011-05-05(Thu) 00:54:18】
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