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homia

Author:homia
homia(ほみ)
2004年春、山岸涼子の「テレプシコーラ」を読み
同年8月東京バレエ団40周年記念ガラからバレエに通い始める
2006年7月7日ブログ開始

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ダニール・シムキンのすべて<インテンシオ>11月25日ゆうぽうとホール
大変面白かった。感動した、というのではないけれど実に興味深く。
マリインスキー通い中の小休止、変化がついたというか清涼剤。
ロシアバレエはロシアバレエでとても好きだし素晴らしいと思うけれど、その厳密な世界、それを求める客席に疲れを感じていたところ。
ロシアだけ、パリだけ、英国だけ、他西欧だけ、ではなくて、やはり色々観たい自分を再確認。

全作品について語ると長くなるので、久々に書こうと思わせてくれたものについて絞ってみる。
順不同。本日はかなり前の方センターブロックという大変よく見える情報量の多い席でありました。

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
ジュリー・ケント、ロベルト・ボッレ

冒頭膝を立てそこに肘をついてうつむいた、表情の見えにくい状態のボッレから激しく落ち込み泣いてすらいるような雰囲気が漂ってくる。そこでまず驚き。ここで半泣きのアルマンは初めて見るかもしれない。
マルグリットの訪問に気付いて立ち上がっても、すぐに怒りがさしたりしない。むしろ扉を開けに行くのに躊躇するような小さな後ずさりが2歩。
マルグリットのベールを外して、怒りにまかせたふうに鋭く投げ放つアルマンがほとんどだけど、ここでもボッレはそうした表情を出さず、かなり持ち運んでから袖方向に投げる。
そこまでで既に、自分を裏切って去ったマルグリットへの怒りよりも、まだ彼女を愛して愛している自分を確認して悶え苦しんでいる様子がストレートに表出される。
僕はこんなにマルグリットを愛しているんだ・・・

その先もボッレの情熱的にマルグリットをもとめていくのが常にリードする。怒りを見せたり、すねたりというより、ただまっすぐそのまま目の前の彼女をもとめずには、気持ちをぶつけずにはいられないという感じ。
若くわがままで暴力的ですらある。

対するケントはまさにその情熱・暴力的アルマンに押され、抵抗むなしく流されていく。彼女の方もアルマンをまだ愛していてやはりそれがどうしようもない、というのは実はあまり感じられなかった。
下手奥に逃げようとするマルグリットをアルマンが追う、その手を取る、マルグリットがまた払う。
その払う動作に、強い拒絶とあしらうような、あんた、何すんのよ、という言葉が聞こえてくるようで、これまた新鮮で目を見張った。
マルグリットもまたアルマンを思う気持ちに流されて二人はどうしようもなく雪崩れ込んでいく、という図式ではないらしい。マルグリットの意志は固く、本当はここで流されたくない。けれど結局アルマンの力に屈してしまう。そうすると最後まで執拗に暴力的に奪い取るアルマンと話はあう。
黒いドレスを脱いでからも、アルマンとの抱擁にマルグリットは喜びを感じているようには見えなくてただ痛々しい。
ABTではこの二人で全幕を踊っているのだったか。とするとこういう作りにしたのだろうか、好みかといわれると微妙だけれど興味深かった。


「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
吉田都、ロベルト・ボッレ

一転、ボッレは若さを幸せな方向に出す情熱的な若者である。
バルコニーでひとりたたずむ都さんは初々しく、でも訪れた恋のときめきを確信はしている。ロミオの訪いに気付き二人が見つめ合う時間。
ロミオ、来てしまったのね・・・

最初に二人が手をつないで並ぶ瞬間、ボッレの表情が良かった。こうして情熱に任せてきてしまったけれど、どうしよう、という不安そうな顔。娼婦と遊んではいても、ロザラインにセレナーデを捧げていても、これが彼の初めての本当の恋。こんなことをこの瞬間に悟らせてくれたロミオは初めてだ。
喜びとジュリエットへの気持ちを爆発させる、この後のロミオのソロはただただ素敵。ボッレのここのアチチュードは絶品。テクニック冴え冴え。

都さんとの相性ってどうなのだろうと実は危惧していたが、細かいところの芝居もきっちり打ち合わせて二人で作り上げてあり、安心して見ていられた。力強いボッレにサポートされると、都さんの重力はまったく感じられず、軽々と宙を舞う。
相変わらずの軽やかさ、素早いところは目も止まらず、ポーズも美しい都さん。
最後のキスに向かって伏線を張りつつだんだんに盛り上げていくようになっていて、かなり前からロミオの求めていることはわかっているけど、それをなかなか受け入れられない、初々しいジュリエット。

そのジュリエットに呼応するように、最初に不安な表情を浮かべた若者にふさわしく、とうとうキスしてしまった、本当に愛するひとと、と去るジュリエットを目で追うよりその余韻に浸るロミオがまた新鮮。
少年と少女、という面を強調した物語。

このバルコニーのパ・ド・ドゥだけとれば、2010年ロイヤルバレエ退団の日本での最後のスティーブン・マックレーとのそれより気に入ってしまったのだけれど。

とりあえず時間切れ。
どうしても書いておきたかったのは上記2つ。
何故か両方ボッレ。日本で踊るのは久しぶりの彼。実に細やかに考え抜いて演技を積み上げるのにすこし驚き。
以前もフェリとの椿姫など感動してきたけれど、さらに進化してしまった。
この彼であることを考えれば、2011年4月のスカラ座のガラでムッルとベジャールの「さすらう若者の歌」を踊ったときのあれは、二人はかみ合っていなかったのだとわかる。
うーん、残念。

メモ的に。
ホアキン・デ・ルース、多分NYCB日本公演でも見ているけど、改めてとても魅力的で頼りになる誠実な男性ダンサーだとほれぼれ。

コレスニコワ
オデットは実は白鳥にされた人妻だった?みたいなねっとり妖艶さ。オディールのときはレベランスの首の動かし方まで変えていて(フクロウのように動かす)徹底ぶりには脱帽。
オデットのカーテンコールのとき、ひしっと王子の肩にしがみついて、ほんの一瞬シショフが失笑ぎみに。違う劇場の濃いプリマを支えてお疲れ様と言ってはおしまいか。
妖艶で独特とは聞いていたけれど、マリインスキー通いのさなかに彼女を見るとプロポーションではっきりと見劣りするのが見えて、逆にマリインスキーが本当に選び抜かれた人で構成された特別な世界であることがよくわかる。

コチェトコワ
ジゼルが良かった。テクニック強く安定しているので自在だし、ジゼルとしての在り方もごく自然で全幕を見てみたくなった。
サンフランシスコバレエ、来日してくれないだろうか。ヤンヤンタンもいるのだし。

シムキン
彼ほど凄いテクニックを力みなくエレガントに自然にそのまま差し出して見せられるひとはいないと思う。
父君ドミトリー・シムキンのデザインした映像も良かった。映像を舞台に活用されるのはあまり好きではないのだけど、今回のは非常にセンスが良かったと思う。

インテンシオ、次もあるといいな。

キャスト詳細等は追記に。


2012年11月25日(日)15:00開演 会場:ゆうぽうとホール
ダニール・シムキンのすべて <インテンシオ>
〈オープニング〉
「Qi (気)」
ダニール・シムキン

「葉は色あせて」
ジュリー・ケント、コリー・スターンズ

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
イザベラ・ボイルストン、ホアキン・デ・ルース
「白鳥の湖」より グラン・アダージオ
イリーナ・コレスニコワ、ウラジーミル・シショフ

「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
ジュリー・ケント、ロベルト・ボッレ

「海賊」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
マリア・コチェトコワ、ダニール・シムキン

「雨」
イザベラ・ボイルストン、ダニール・シムキン

「ジゼル」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
マリア・コチェトコワ、ホアキン・デ・ルース

「クルーエル・ワールド」
ジュリー・ケント、コリー・スターンズ

「白鳥の湖」より 黒鳥のパ・ド・ドゥ
イリーナ・コレスニコワ、ウラジーミル・シショフ

「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
吉田都、ロベルト・ボッレ

「レ・ブルジョワ」
ダニール・シムキン
公演感想2012 | 【2012-11-25(Sun) 23:52:32】
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